がんは全身に発症する可能性がある疾患です。どこにできるのかによって自覚できる症状が現れることもあれば、ほとんど症状が起こらないまま、がんが進行してしまうケースも少なくありません。

がんを放置したままにすると生存率はグッと下がってしまうため、早めに対処することが大切です。

自覚できる症状を逃さないようにするためにも、がんの症状について学んでいきましょう。

 恐ろしいがんの症状

病気に侵される人

どこにでもできるがんでも、放置すると少しずつ進行し、がん細胞は増殖していきます。皮膚に近い部分にできる場合なら、手で触れてシコリのような感覚を得ることは可能です。

がん細胞は悪性の細胞で、増殖する際には周囲の組織の膜や壁の中へどんどん浸潤していくという性質があります。

その際には、周囲の組織を破壊しながら増殖をするために、出血が起こりやすくなります。そこで、がんの初期症状で自覚できることがある症状の一つには出血が挙げられます

がんの初期症状で自覚できる可能性のあるものがシコリ

手のツボ押し

体の奥深い部分にできているがんの場合には、シコリを作っていても手で触れることができないので自覚しにくいのですが、乳がんや前立腺がん、皮膚がんなどのように皮膚の表面から手で触れることによって異常を見つけられるものもあります。

もしも体内の奥深い部分にある臓器にがん細胞が増殖をすると、手で触れて確認することはできませんが、体調に何かしらの異常が起こることはあります。

例えば、小腸や大腸などの消化器官に発症すると、食べ物や便などが通過する際には、その癌細胞の部分をこすることによって炎症をおこしたり、出血することがあるでしょう。細い管の部分にできると、場合によっては閉塞症状が起こることもあります。

この場合、血便が長く続いたり、下痢と便利を交互に繰り返してしまうなど、便の異常が起こりやすくなりますし、胃の場合には胃がいつも痛いという症状が起こりやすくなります。

早期の段階では無症状であることが多く、ある程度がんが進行して出血したとしても便中に血が混じってしまうため、なかなか異常に気付きにくいという特徴があります。

普段からわずかな体調の変化にも気を付けていれば、早い段階で気づけることもあるのです。ただし、何も自覚症状が出ないことも多いですから、油断はできません。

医師が疑うがんの初期症状

ドクター

体調が崩れることは誰にでも起こることです。しかし、そうした不調が長く続くような場合には、体のどこかがおかしいというサインなのでしょうから、まずは病院で診察を受けるようにしましょう。

特にがんの場合には、早期発見できれば寛解できる可能性は高いのです。

病院に行くと、まず問診を行い、どのような症状があるのかを医師に説明することになります。どの部位にがん細胞が増殖しているかによって、現れる初期症状も異なります。

しかし、医師がもしかしたらがんかなと疑うのは、そうした症状が長く慢性的に続く場合が多いですね。ここでは、どのような症状が出ていると、がんだと疑われることが多いのかをご紹介しましょう。

体重減少

前立腺がん

がん細胞は、増殖する際には正常な細胞に与えられるはずの栄養や酸素を奪い取って吸収します。そのため、正常な細胞が栄養失調の状態となってしまい、体重が減少してしまう事があるのです。

普段通りに食べているのに太らなくなったという場合や、何もしていないのに体重が減っていくという場合には、ダイエットできたとぬか喜びするのではなく、一度病院で健康診断を受けてみてください。

どのぐらい体重が減るとがんの疑いアリ、となるのでしょうか。がんの疑いが強くなるのは、ダイエットしていないのに4キロ以上自然に体重が減ってしまう場合と言われています。

体のどの部位にできるがんでも、体重減少は初期症状として起こりやすいのですが、特に食道や胃、すい臓、肺などの場合には、体重が減る傾向が強いようですね。

がんを早期発見するためには、日常的に体重計に乗って体重管理をする事をお勧めします。

体重が少し減っていれば、何が原因なのかをその場で考えることができますし、何もしていないのに減り続けるような場合には、何か病気かもしれないなということを早期に感じられるでしょう。

生活習慣が変わらなければ体重はそれほど大きく増え続けたり減り続けることは少ないものです。

いつまでも続く微熱

落ち込む女性

体調が悪くなると、体内の免疫機能が低下して、外からウィルスや細菌などが侵入しやすい状態になってしまいます。

外から何者かが侵入してくると、免疫細胞たちがそれを撃退しようとして活発に活動するようになるわけですが、この時に微熱などの症状が起こります。

しかし、健康な体なら、微熱が出ても長く続くことはありません。風邪やインフルエンザの場合には、1週間程度で平熱に戻るのが一般的ですよね。

がんの場合には、免疫細胞たちががん細胞たちを撃退しようと活発に働いても、撃退しきれていない状態となってしまいます。

そのために、微熱が長く続いてしまうのです。もしも、高熱ではなくても微熱がダラダラと何週間、何か月も続くような場合には、がんが疑われるため早急に病院で検査を受けることが必要です。

ちなみに、微熱という症状が起こりやすいがんは、血液系やリンパ系など全身性のがんが多くなります。白血病や非ホジキンリンパ腫などが疑われるため、血液検査など必要な検査を受けることが必要です。

微熱だと感じる体温には個人差がありますから、体がだるくて微熱があるような気がする、という状態が長く続くのなら、一度病院を受診してみてはいかがでしょうか。

慢性疲労が悪化する・体調不良

不眠で悩む女性

年齢を重ねると、誰でも体力や筋肉量が落ちるため、疲れやすくなるものです。人によっては、午後に少しだけ昼寝をしないと夜まで起きているのがきついという人もいるでしょう。

こうした慢性疲労は、その人のライフスタイルや体力、体質によって出方は大きく異なりますが、慢性疲労がどんどんひどくなる場合には、がんの可能性が考えられます。

普段通りの生活をしているのに、疲れて仕方がなく、毎日3~4時間ぐらい昼寝をしなければ夜までもたない、という人は、がんの疑いがあります。

昼寝をする習慣を持っている人はたくさんいますが、30分ぐらいの時間でも体力が回復するものですし、気分もスッキリできます。

健康な人だと、昼寝を3時間~4時間もしてしまうと、夜眠れなくなってしまうと心配する人が多いですよね。

しかし、毎日そのぐらいの昼寝が必要という人は、がんではなくてもどこか体に不調があるサインですから、一度病院に行って診察を受けることをおすすめします。

ちなみに、こうした疲労感がどんどん悪化するという症状は、がんの中でも大腸がんや胃がんで出血が起こっている場合、また白血病などで全身に必要な栄養や酸素が行き届いていない場合などが考えられます。

皮膚疾患が治らない

手のツボ押し

ニキビや火傷、擦り傷や切り傷など、皮膚疾患がなかなか治らないというのもまた、がんの初期症状の一つと考えることができます。

がん細胞は、増殖する際には正常な細胞から栄養や酸素を奪い取りながら増えていくものです。その結果、正常な細胞が十分な酸素や栄養を受け取ることが出来なくなってしまう事になってしまいます。

そうすると、全身の中でも毛細血管から栄養や酸素を受け取っている皮膚は、どうしても体内の臓器の中では優先順位が低くなってしまうために、皮膚疾患を回復することができるだけの酸素や栄養を受け取れなくなってしまう事になるのです。

特に、皮膚の炎症系トラブルがなかなか良くならないという場合には、一度血液検査を受けてみると良いかもしれません。

皮膚疾患が治りにくいからと言って、かかっているかもしれないがんは皮膚がんということはなく、大腸がんなど消化器系のがんというケースもあります。

皮膚疾患がなかなか治らないからと言って、必ずしもがんという訳ではありません。でももしかしたらその可能性もあるので、もしも気になるような場合には、一度病院で検査を受けてみてください。

がんでないと分かればスッキリできますし、がんなら早期発見で早期治療ができるでしょう。

便の異常・排泄時の出血

お腹

がんが進行するうえで起こりやすい症状の一つに、出血があります。がん細胞が増殖することによって周囲の組織がもろくなってしまい、出血しやすくなるわけですね。

特に、腸に関係する部位や膀胱にできるがんの場合には、起こりやすい初期症状として、血便や血尿などが挙げられます。

血尿が出ると、尿路感染症かなと考える人はとても多いですね。ストレスなどが原因で尿路感染症になってしまう事は確かに多く、慢性的なストレスが続くと尿路感染症も長期化してしまう傾向にあります。

しかし、血尿という症状が出る疾患には、膀胱がんなどもあるので、侮ることはできません。

たかが血尿だと思って放置していると、膀胱がんの場合にはがんがどんどん進行してしまっている可能性も考えられますよね。もしも血尿が続く場合には、念のために病院で検査を受けることをおすすめします。

血便の場合も同じです。血便の症状が出る疾患には様々なものがあり、中には慢性的に血便が続くものもあります。

特に痔を持っている人は、日常的に血便が出てしまう事があるため、血便でもあまり深刻に考えないことは多いかもしれません。しかし、大腸がんも血便の症状が起こりやすいので、注意が必要です。

進行する貧血

それまでほとんど貧血になったことがない人が、最近になってよく貧血が起こるようになったり、貧血がどんどんひどくなるような気がするという場合には、もしかしたらがんの初期症状が出ているのかもしれません。

がん細胞は、増殖をする際に酸素や栄養を正常な細胞から奪い取ってしまいます。新しく血液が作られても、がん細胞にどんどん取られてしまうため、貧血の状態になってしまうわけですね。

貧血が起こりやすいという症状を持つがんにはいろいろなものがありますが、女性特有のがんの一つである子宮がんもその一種です。

また、消化器などの臓器でがんが進行していて失血するようになると、全身の血液量が減ってしまうために貧血が起こりやすくなります。

貧血気味だなと感じたら、まず食生活を見直したりサプリメントなどを使って、鉄分不足を解消してみてください。栄養バランスに問題がある場合には、それでかなり改善できるでしょう。

しかし、それでも貧血が治らず、時間の経過とともにひどくなるような場合には、がんを含めて何かの病気という可能性が考えられます。できるだけ早めに病院に行って検査を受けるようにしましょう。

貧血の場合には、まず血液検査を行うことで、血液の成分に異常がないかを確認できます。がんの疑いがある場合には、腫瘍マーカー検査などでどこにがん細胞があるのかを調べることも可能です。

飲みにくい・声がすぐに枯れる

咳をする女性

がんの初期症状の一つに、食べ物が飲み込みにくいとか、声が枯れやすくなったという症状があげられます。

最初は喉が炎症を起こしていて扁桃腺や風邪なのかなと考える人が多いのですが、なかなか治らずにツラい状態が長く続くような場合には、もしかしたら深刻な疾病の可能性が疑われます。

その他にも、唇に口内炎などが出来てなかなか治らないとか、口の中が出血しやすくなった、なんとなく口の中がしびれているような、麻痺しているような感覚になるという場合にもまた、がんの疑いがあるので要注意です。

口内や喉などにこうした異常が起こる場合、口腔がんの可能性があります。もしも喉が痛くなったら、できるだけ刺激を与えないように気を付けながら様子を見てみてください。

なかなか治らなかったりひどくなるような場合には、病院に行って検査してもらいましょう。

もしもがんではなくても、喉の炎症は日常生活でかなりつらいですし、口内や喉は毎日の生活で食事を飲み込んだりして酷使するため、ゆっくり療養させることは難しいですよね。

がんでなくても、病院に行けば薬を処方してもらうことができるので症状を軽減できますし、がんの場合なら早期治療をスタートできるでしょう。

口内炎の白斑

吐きそうになる女性

歯磨きをする時には、よく口の中の状態をチェックしましょう。もしも口内炎ができている場合には、口内炎の色も確認することをおすすめします。

多くの場合には、口内炎は赤く炎症を起こしていることが多いのですが、症状によっては先端部分が白くなっていたり、白斑のような状態になっていることがあります。

もしも口内炎が白斑の状態になっていたら要注意です。白斑状の口内炎は、口の中に細菌が増殖してカビが生えた状態になってしまうカンジダ症の疑いがありますが、それ以外にがんの可能性があります。

白斑が必ずしも悪いという訳ではありませんが、素人の私たちにとっては、有害なものと無害なものとを区別することは難しいですよね。そのため、気になる口内炎は念のために病院に行って診察を受けることをおすすめします。

白斑タイプの口内炎ができた場合、その近くに口腔がんが発症するリスクがあると言われています。そのためこのタイプの口内炎ができた時には、放置して自然治癒するのを待つのではなく、病院できちんと治療を受けることをおすすめします。

きちんと治療をすれば、がん発症のリスクを抑えることができますし、がんの場合には早期治療をスタートすることが可能です。

皮膚が厚くなる・しこり

胃のところがハート

皮膚が厚くなったりシコリができるという症状もまた、がんの可能性が考えられます。手で触れた時に、なんとなく硬いような気がするという場合や、シコリみたいなものが存在するということは、年齢を重ねた人なら多くの人が経験する症状です。

こうした症状が起こる原因はいろいろありますが、セルライトのように脂肪が硬くなってシコリのようになっているものもあれば、良性の腫瘍ができている場合もあるでしょう。

また、悪性の腫瘍、つまりがんができているために皮膚が厚くなったりシコリを感じるということもあります。

がんの中でも乳がんやリンパ節に発症するがん、睾丸がんなどは、皮膚に自覚できるしこりができるという初期症状が起こりやすいという特徴があります。

そのため、日常的にこの部分をマッサージしたり、しこりがないかをチェックすることによって、早期発見が可能となります。

ちなみに、がんによるしこりや皮膚の厚みは、初期の場合には痛みや不快感を感じることは少ないようです。

まったく痛みなどを感じることがなく、ただ皮膚が厚くなっていたりシコリになっているという状態となるので、ついつい放置してしまいがちです。

リンパ節がんなどは、放置するとあっという間に転移してしまうので注意してください。

昼間の眠気といびき(閉鎖性睡眠時無呼吸症)

咳をする女性

がんでなくても昼間に眠くなってしまう人はたくさんいますし、閉鎖性睡眠時無呼吸症などでいびきをかく習慣を持っている人もいるでしょう。

そのため、昼間に眠くなったから、またいびきをよくかくからガンだということは言えません。あくまでも、がんの初期症状の一つに、日中の眠気とかいびきという症状がある、ということです。

昼間の眠気や閉鎖性睡眠時無呼吸症が起こるメカニズムですが、がんが体内で増殖すると、血液中の酸素ががん細胞に独り占めされてしまうために、脳に十分な酸素や栄養が届きにくくなってしまいます。

また、血液の質をコントロールする機能が低下してしまうために、血液中の糖値や活性酸素量が上手くコントロールできずに高い状態になりやすく、体が疲れて眠くなってしまうという症状が現れます。

また、いびきという症状は、鼻やのどなど空気の通り道が、何かしらの原因で通路が狭くなり、それがいびきにつながっています。がんを発症して空気の通り道が狭くなってしまう事によって、いびきをかきやすくなるわけですね。

もしもそれまではいびきをかいたことがなかった人が、今までと同じように眠っているのに慢性的にいびきをかくようになったり、いびきがどんどんひどくなるという場合には、もしかしたらがんかもしれませんから注意しましょう。

早期発見・早期治療が後の生存にかかわる

診断結果

がんが不治の病と呼ばれていたのは、過去のことです。現在では、がんについての研究や治療法が目覚ましく発展しており、以前なら寛解できなかった状態でも治せるケースが多くなっています。

しかし、そのためにはできるだけ早期発見することが必要不可欠なのです。

がん細胞は、少しずつ増殖しながら周囲の組織に浸潤していきます。原発巣からどんどんがんが広がると、やがては血液やリンパに入り込み、そこからは全身へと転移する可能性が高くなってしまうのです。

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がん治療を成功するためには、がん細胞が血液やリンパに浸潤してしまう前に増殖を食い止めるという治療が必要です。

がんを早期発見した場合、どこに原発巣があるかによって、手術療法や放射線療法、免疫療法、化学療法などから、患者さんのニーズや希望、がんの悪性度合いや症状、進行度合いに合わせて適切な治療法を選択することになります。

早期発見の方が治療の選択肢は多くなりますし、3年後・5年後・10年後の選択肢も多くなります。どこに発症するがんでも、悪性腫瘍なら確実に少しずつ進行していきますから、放置すればするほど治療できる可能性が低くなってしまうのです。

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まとめ

勉強中

ガンという疾病は、誰でもかかるリスクがあります。全身あらゆる部位に発症する可能性がありますが、それぞれどのような初期症状が出るかは異なりますし、場合によっては全く自覚症状が起こらないまま、体内で静かにがんが進行してしまう事もあります。

自覚できる症状がない場合には、予防することも難しいですし、再発防止の策もなかなか講じることが難しいですよね。

そのため、もしもがんが再発、発症した時には、できるだけ早期発見ができるように、どのような症状が起こる可能性があるのかを知っておきましょう。

全身に起こる症状

全身に起こる症状としては、体重減少や微熱、疲労感が取れない、などがあります。また、ニキビや吹き出物などの炎症系皮膚疾患がなかなか治らない場合にも、もしかしたらがんの可能性はありますね。

皮膚が厚くなったりシコリを感じるような場合にもまた、がんが発症している可能性があるので注意したほうが良いでしょう。

部位ごとに症状が現れることもあります。便秘やのどの痛み、口内炎ができやすいなどは、慢性的に続くような場合には、念のために病院で診察してもらうことをおすすめします。

これらの症状が起こった時には必ずしもがんという訳ではありませんが、もしも症状が続くのなら、万が一のことを考えて検査しておいた方が安心ですね