「がん(癌)」とは、日本人の死因第一位の病気です。厚生労働省「平成28年人口動態統計月報年計の概況」によると、悪性新生物(がん)で亡くなったのは全体死亡者数の28.5%で約3人に1人が亡くなっている計算です。

がんはとても怖い病気で、発症するともう手遅れだと思ってしまうかもしれません。しかし、そんなことはないのです。

実際に10年前の平成28年人口動態統計月報年計の概況では全体の30.4%を占めていたので、この10年で徐々に減少傾向にあります。これは医学の進歩が間違いなく関係しているでしょう。

人の体の中では日々細胞が構成され続けています。そして日々体内でがんが生まれ、消えていくのです。

人の体は日々がんと戦っています。がんを発症してしまうのは、体が弱まったり、加齢とともに衰えていき、体ががん細胞を排除することができなくなってしまったからです。しかし一度発症しても、早く発見することができれば十分治すことができる病気です。

免疫力を高める方法今すぐできる8つの対策

三大成人病「がん・心臓病・脳卒中」が死因トップ3

病院と医師

三大成人病とは、40代から60代の方が発症しやすく、死亡率も高い3つの病気のことをいいます。がん(悪性新生物)、心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)が分類されています。三大成人病という名称は1955年頃厚生省が使い始めたことをきっかけに広まりました。

日本人の死因の約30%ががん、約15%が心臓病、約13%が脳卒中だといわれています。三大成人病だけで日本人の死因の50%以上を占めているほど、多くの方がかかり、完治も難しい病気なのでしょう。

中でも一番怖いのががんでしょう。がんは突然変異で起こりやすい病気です。若い方でも、がんが発症し悪化すると深刻化してしまう可能性が高いのです。

グラフと資料

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自分自身では気づきにくいがんも多いので、定期健診をする必要があります。

心疾患は、心臓に激痛が走る病気です。ストレスや喫煙、運動不足などで起こります。胸の痛みを感じたらまずは病院で診察を受けましょう。

最後に脳卒中です。脳血管疾患の中でも特に多いのが脳卒中で、さらに脳梗塞と脳出血に分けられます。脳梗塞は目の焦点が合わず手足がしびれ、めまい等が起こるでしょう。脳出血は頭が重く感じたり激しい頭痛を感じる病気です。

どの病気にも言えることですが、きちんと検査を受けることで早期発見ができ、重症化する前に治療をすることができます。

発生のメカニズムは細胞の突然変異!がん細胞と正常細胞の違い

病気

人の体の中には沢山の細胞が存在しています。そのほとんどは正常な細胞なのですが、正常な細胞の遺伝子が2個から10個ほど傷つくとがん細胞になってしまいます。

傷は一度に起こるわけではなく少しずつ時間をかけて発症することがほとんどです。そのため正常な細胞ががん細胞に進行することを多段階発がんといいます。

一度傷を持った異常細胞が発症すると、どんどん結びつき増えていき、悪性度の高い細胞となり周囲に広がってしまうのです。(参照:国立がん研究センター「細胞ががん化する仕組み」)

正常な細胞は、細胞が老化したり修復をするときに必要に応じて増殖します。細胞増殖因子と抑制因子によりコントロールされながら増え、分裂限界点もあります。しかしがん細胞は一度できると必要性がなくても自然と増殖していき、細胞増殖因子と抑制因子の変異が起こっているため、増殖を防ぐことはできず、無限にどこまでも分裂してしまいます。

必要がないのにどんどん細胞分裂を繰り返しとまることも無いため、一度がん細胞ができると体中にどんどん増えていき、さまざまなところに転移し、取り返しのつかない状態になってしまう可能性があります。

がんはできるだけ早い段階で治療をしなければ、完治も難しくなってしまうのです。

がん(悪性腫瘍)と良性腫瘍の違い

体内に悪性の腫瘍ができることをがんといいます。実は体内の腫瘍には良性腫瘍も存在し、良性の場合は心配する必要はありません。がんである悪性腫瘍と良性腫瘍には3つの違いがあります。(参照:国立がん研究センター「知っておきたいがんの基礎知識」)

  • 増殖スピード
  • 浸潤

まず第一に増殖スピードです。悪性腫瘍はどんどん細胞分裂を繰り返しとどまることを知りません。そして周辺を破壊しながら広がったり、いろいろなところに飛び移って拡大していくのが悪性の腫瘍です。良性腫瘍とは比べ物にならないくらいの早さで大きくなっていきます。

次に形です。良性腫瘍は球体など整った形をしているのに対し、悪性腫瘍は境界線がギザギザになっているなど、不均一な形をしています。他の細胞を巻き込みながら不規則に増えていく悪性腫瘍はいびつに大きくなってしまうのでしょう。

最後に浸潤です。悪性腫瘍は周辺組織や臓器に入りこみ広がっていきます。骨や脳にまで入り込む場合もあるのです。治療をせずに放置していると全身がんに蝕まれてしまうでしょう。

また、悪性は独特の硬さがあります。良性腫瘍は浸潤せずにその場で大きくなるのみです。硬さも、悪性と比べるとそこまで硬くありません。そのため乳がんなどは触診で悪性か良性か判断できる場合もあります。

男性と女性のがん発症率の違い

パソコンを使って説明する医者

がんは男性と女性でさまざまな違いがあります。女性が掛かりやすいガン、男性が掛かりやすいガンは違いますし、子宮がんや乳がんは女性特有のガンです。同じく、前立腺がんは男性特有のガンといってよいでしょう。

また、がんの発症率を見ると全体的に男性のほうが高い傾向にあります。がんはさまざまな部位で発症しますが、食道がん胃がん、肝臓がん、肺がん膀胱がんなどは全て男性のほうが明らかに発症しやすいガンとなっています。また、男性特有のがんというと、喉仏と前立腺のガンです。

男女ともに発症するガンを比べてみると、女性のほうがかかりやすいガン、というのは見当たりません。乳がん甲状腺がんは女性特有のガンであり、乳がんの発症率はかなり高いものです。

しかし全体的に比較をしてみても、明らかに男性のほうががんになりやすいのです。なぜなら、男性のほうががんになりやすい生活習慣を行っている人が多いからでしょう。

男性が発症しやすい食道、胃、呼吸系のがんは、タバコを吸う人ほどかかりやすいがんです。また、アルコールを摂取する、脂分の多い食事を好んで食べる場合も発症しやすいです。

そのため、男性のほうが多くのがんが発症しやすいのです。

がん家系なんてない?それって俗説?

止めようとする医者

近親者でがんを発症した方が多かったり、親族でがんで亡くなった方が多いと「がん家系」と呼ばれることがあります。確かに親族ががんを発症する方が多いと不安になってしまうかもしれません。

しかし、安心してください。がん家系は存在しません。

遺伝性のがんはほとんどなく、両親や祖父母ががんを発症したからといって自分自身もがんを患うというわけではないのです。

もちろん、ガンの中にも遺伝する可能性のあるものも存在します。遺伝性のがんは網膜芽細胞腫と呼ばれていて、乳幼児が主に発症するがんです。確率はとても低く、1%以下の確率で遺伝するといわれています。また、網膜芽細胞腫は早く治療を始めれば治癒をすることができ、9割ほどの発症者が完治している病気です。

がんは遺伝しませんが、生活習慣や体質は遺伝します。味の濃いものを好んで食べる、太りやすい、タバコやアルコールを好んで摂取するなどガンを発症しやすい性質が遺伝すると、親族と同じくがんを発症してしまうかもしれません。

もちろんがんは日本人の死因第一位なので、遺伝が関係なくてもがんを患う方は年齢を追うごとにどんどん増えていくものです。がん家系はないので、自分自身の努力次第でがんは防ぐことができます。

どうしてがんは怖い病気なのか?

がんの疑いがあったりがんに発症するともう手遅れだ、と思ってしまう人は少なくはありません。それほどがんは怖い病気だという印象が強いでしょう。なぜなら、がんは日本人の死因第一位だからです。現在日本の3割以上の方ががんが原因で亡くなっています。

また発症はしていなくても誰もがかかる可能性のある病気だからです。

現在日本人は、一生のうちに、2人に1人は何らかのがんにかかるといわれています。がんは、すべての人にとって身近な病気です。

がんの発症率は年々高まるでしょう。しかし、がんだからといって怖がる必要はないのです。なぜなら、がんといっても様々な種類がありますし、がんが完治して数年数十年と生き続けている人も沢山いるからです。

怖いがんというのは、末期のがんです。がんは初期段階では決して怖くない病気です。早く発見できればそれだけ完治する確率も高くなるでしょう。

しかしがんの進行速度は速く、気づくのが遅れると体の多くをがんに蝕まれてしまいます。がんのステージが進めば進むほど、治療も辛くなり、改善も難しくなってしまうでしょう。

また、がんは完治したとしても通院し続ける可能性が高く、再発する可能性のある病気です。だから怖いと思われてしまうのかもしれません。

がんの早期発見、早期治療、そして再発しないように健康的な生活を心がけることで怖い病気ではなく、防げる病気に変わるはずです。

がんの原因は?6つの生活習慣が関係する

ウォーキング

がんの予防で大切なのが、生活習慣の改善です。実はほとんどのがんの原因は、生活習慣の乱れから起こるものだといわれています。

実際に統計を見てみると、健康的な生活をしている人ほどがんが発症しにくいといわれています。正しい生活習慣を心がけるだけで、男性は4割以上、女性は3割以上ガンのリスクを低下させることができます。

では、がんの原因となる生活習慣とはどのようなものなのでしょうか。がんの研究機関が発表している「科学的根拠に基づくがん予防」からご紹介します。

がん予防の情報はその時々に耳にした情報を元に実践する方がいます。しかし、その方法は科学的根拠に基づく情報かどうかはわかりません。正しい情報を精査して、本当に意味のある予防をしましょう。ここで紹介する内容は国の権威ある専門機関「国立研究開発法人国立がん研究センター」が発表している内容です。

1.喫煙

喫煙は、ガンのリスクを引き上げる可能性がとても高い物質です。女性よりも男性のほうがガン発症率が高いのは、男性のほうが喫煙率が高いからです。タバコには発がん物質が60種類も含まれています。

喫煙をすることで発症の確率が上がるガンは、喉、気管支、肺ですが、タバコの灰は体中をさまよいあらゆる臓器に悪い影響を及ぼします。また、喫煙者だけではなく受動喫煙でもガンの発症率は高くなります。そのため家族など身近な人に喫煙者がいる場合も注意が必要です。

禁煙がうまくいかない方へ

まずは喫煙のリスクを理解することから始めましょう。禁煙外来など専門家と共に取り組むことも成功への近道です。医療保険で受診できる場合もありますし、現在では、禁煙補助薬を使った禁煙プログラムなどもあります。地域の医療機関を探し、ぜひ禁煙に取り組んでみましょう。

2.多量の飲酒

飲酒自体が悪いというわけではありません。適度な飲酒は血流が改善したり、ストレス解消効果をもたらしてくれるでしょう。

しかし大量の飲酒は体に悪い影響をもたらします。一日辺りのアルコール摂取量が平均46グラムを超えるとガン発症のリスクが格段にあがってしまうのです。特に、食道がん大腸がん、女性の場合は乳がんのリスクが上がるといわれています。毎日飲酒をしたい場合は、ビール1本、日本酒1合、ワインボトル1/3、ウィスキー1杯のいずれかの量に抑えるようにしてください。

3.野菜・果物不足

野菜

人の体は栄養を摂らなければ生きていけません。特に野菜や果物にはビタミン、葉酸、カロテンといった重要な栄養がたっぷりと詰まっているのです。

実際に野菜や果物が不足しているからといってがんが発症したというケースは少ないといわれています。しかし、きちんと栄養を摂らないと、体内の発ガン物質を排出するために必要な酵素が不足し、体内環境がどんどん悪化してしまう可能性があります。特に、食道や胃、大腸がんにかかりやすくなるでしょう。

4.塩分の過剰摂取

塩分を摂りすぎると胃腸が弱まり胃がんになるリスクが高まるといわれています。また、塩分の多い塩蔵食品には発ガン物質が含まれている可能性が高いのです。

特に日本人は胃がんが多いといわれています。これは、近年塩分の多い食品を好んで食べる人が増えているからだといわれています。また塩分の多い食生活を続けているとコレステロール値が上昇したり、体重が増えたりして、さらに病気にかかりやすくなってしまいます。

5.熱い食べ物や飲みものによる刺激

女性が喉を押さえる

熱すぎる食品は体に悪い影響を及ぼします。熱々の食品は確かに美味しいでしょう。熱いまま食べたいと思う方が多いかと思います。しかし、熱いまま食べると食道の負担となり、食道がんや食道炎のリスクが高まるといわれています。

そのため、体のためには少し冷ました温度で食べるのがベストです。また熱すぎることはもちろん、冷たすぎる食品もおすすめしません。冷たくても体が冷えてしまい体に悪い影響を及ぼしてしまうのです。

6.動物性食品の摂りすぎ

動物性食品、特に貯蔵肉や赤身の肉は体に負担がかかります。これらの食品には、発ガン物質が含まれている可能性が高いのです。特にハムやサラミやベーコンといった貯蔵肉を食べると大腸がんのリスクが高まるそうです。

動物性食品を摂らない生活は難しいかと思います。あくまでリスクがあるのは食べ過ぎたときのみです。日々の食生活を見直し、動物性食品だけではなく野菜も意識して食べるようにしましょう。

7.その他の原因

ヒアルロン酸、というと美容に良い、保湿効果が高い成分ということで知られています。しかしそんなヒアルロン酸ががんを進行させる可能性があるということをご存知でしょうか。もちろん、自然にヒアルロン酸を摂取している分には問題ありません。でも意識してヒアルロン酸を補いすぎると、ガンの発症率が高くなってしまう可能性があります。

特に胃がん、大腸がん、すい臓がん、乳がんのがん組織にはヒアルロン酸が沢山蓄積しているので注意が必要です。

がんの種類と発生する場所

グラフと資料

一言にがんといっても様々な種類があります。がんの種類のほとんどはがんができた部位が由来の名称となります。胃にできるがんは胃がん、大腸にできるがんは大腸がんなどです。

そして、がんは基本的にはどの部位でも発生する可能性があります。体の中のあらゆる臓器や組織にガンは発生したり、移転する可能性があるのです。

また、がんは造血器にできるもの、上皮細胞にできるもの、非上皮細胞からなる「肉腫」の3種類ですが上皮内新生物と呼ばれるがんも存在しています。

  1. 造血器にできるもの
  2. 上皮細胞にできるもの
  3. 非上皮細胞からなる「肉腫」
  4. 上皮内新生物

これら4つを解説していきます。

1.造血器にできるもの

造血器とは、血液や骨髄、リンパ節のことを言います。これらの部位にできるがんを、造血器がん、もしくは造血器悪性腫瘍と呼びます。白血病や骨髄腫などが造血器がんに該当します。

造血組織とは、赤血球、白血球、血小板など血液細胞を作る組織のことを言います。これらの部位ががんに侵されると体中に広まりやすくなってしまうでしょう。そのため早い段階で体全体に広がる可能性があります。

しかし、造血器がんはそこまで深刻化することが少なく、抗がん剤などの治療で改善しやすい病気だといわれています。そのため、全身に広がりやすいからといって重症化しやすいがんというわけではありません。きちんと治療をすれば治る可能性の高いのが造血器がんなのです。

2.上皮細胞にできるもの

上皮細胞はからだの皮膚の表面にある表皮や内臓の粘膜である上皮の細胞のことをいいます。そのため、上皮細胞がんとは以下が該当します。

  • 皮膚がん
  • 肺がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 胃がん
  • 乳がん
  • 子宮がん
  • 卵巣がん
  • 喉頭がん
  • 咽頭がん
  • 舌がん

これらのがんは発症者が多いがんとして知られています。

造血器にできるガンは初期段階から全身に転移しますが、上皮細胞がんは末期に転移することが多いがんです。そのため、他の臓器に転移すると手遅れになってしまう可能性があります。しかし、転移する前であれば改善できる可能性が高いのです。皮膚や舌などは目に見えて変化がわかりやすい部分ですが内臓部位は変化がわからない人も多いでしょう。定期的な検査をすることで早期発見が可能です。

3.非上皮細胞からなる「肉腫」

非上皮細胞からなる肉腫とは、つまり上皮細胞ではない部位の肉腫のがんのことを言います。肉腫は体中にあり、骨や軟骨、脂肪や血管などの肉腫が該当します。これらの部位にできるがんが非上皮細胞からなる肉腫のがんに該当するのです。この種類は骨肉腫になる方が30パーセントと一番多く、続いて軟骨が15パーセント、骨髄腫10パーセントと続きます。

特に骨肉腫はとても有名な病気なので聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。骨部分の痛みや腫れが初期症状として起こり、悪化すると変形したり骨が弱くなり骨折しやすくなる場合もあります。手術次第で治る可能性が高いですが、手術だけで難しい場合は抗がん剤などの治療も行うこととなるでしょう。

4.上皮内新生物

上皮内新生物とは、明確にいうとがんではありません。がんの細胞が上皮内に付着している状態であり、ただ付着しているだけなので完治しやすい状態のがんなのです。上皮内新生物の状態は、がんが転移したり再発する可能性が限りなく低い状態なのです。

上皮内新生物は、特に子宮がんに起こりやすい状態だといわれています。上皮にのみ存在していて基底膜を越えないので、がんが浸潤することも転移することもありません。自覚症状が薄いため放置しているうちに消失する場合もありますし、切除をすれば完治し、その後問題なく過ごすことができるでしょう。

上皮内新生物もがんの一種ではありますが、決して怖くない安心できる状態のがんなのです。

がんの検査

検診を見る医者

健康に過ごすために大切なのは、定期的にがん検査を受けることです。がんの初期症状のほとんどが、ただの体調不良に過ぎないことばかりです。些細な痛み、違和感、体調不良がガンの初期症状の可能性があります。初期段階から自分でがんだと気づくことは難しいでしょう。

だからこそ、定期的ながん検査が必要です。地域や年齢によっては無料や安価で検査をすることができる場合もあります。たとえ有料でも、ある程度の年齢になったら検査をすることをおすすめします。

検査と診断にかかる時間

がんの検査は部位によって異なります。全身となると時間もかかりますし、特定の部位のみだと短時間で終わることも多いでしょう。がんの検査は、最初の検査時点で異常がなければ問題なく終わります。しかし初期の検査で異常があった場合は精密検査を行い、そこでがんだと診断されると治療に発展することとなるでしょう。

もし精密検査で異常なし、もしくは良性の状態であればそこで検査はいったん終了となり、次回の検査に持ち越しとなります。

一度検査をして問題がなくても、数ヶ月後に検査を受けて発見されるケースも珍しくはありません。検査に掛かる時間は1日の場合がほとんどですが、検査結果が出るまでに1週間から1ヶ月ほどは掛かるでしょう。

標準治療と緩和ケア

検査でがんだと判定された場合、標準治療、緩和ケア、もしくはその両方を同時に行っていきます。標準治療というと普通の治療のように聞こえるかもしれませんが、最善最良の治療のことを意味します。検査後、医師と相談し3段階の臨床試験を終えた後に、一番最適な治療方法を導き出すのです。

一方緩和ケアは、文字通りがんの症状を緩和するためのケアです。標準治療を行いながら緩和ケアをして、辛さを和らげながら治療を進めていきます。がんの治療は辛いことも多いでしょう。

初期段階でも精神的に辛くなる可能性もあります。そのため、治療で辛くないように心も体も緩和していくためのケアを行っていきます。初期から緩和ケアを取り入れることで、安定した生活を送りつつがん治療を行うことができます。

がんの三大療法と世界が注目する免疫療法

治療

がんの治療は大きく分けて3種類あります。手術で治すか、薬で治すか、放射線治療で治すかです。これががんの三大療法と呼ばれる方法であり、日本では中でも手術療法で治すやり方が主流でした。

しかし近年は薬物、放射線の治療も進歩したため、医師と相談しがんの段階を確認しつつどの方法で治療をするか決めるようになったのです。もちろん、複数の方法を組み合わせて治療をする場合もあります。

その人のがんの特性や体質など個々の状況に応じた個別化医療を行うことによって、従来に比べて生存率も改善されてきました。

最近は免疫療法でがんを治すという選択をする人も増えてきました。免疫療法は即効性はありませんが、効果があった場合持続時間が長いのがメリットです。長期間健康でいられる、副作用が少ないなどの利点から免疫療法を選択するのでしょう。

以下、それぞれの治療法を詳しくご説明します。

  1. 手術
  2. 薬物療法
  3. 放射線治療
  4. がん免疫療法
  5. 先進医療と臨床試験

従来の三大治療に加えて、免疫療法や先進医療と臨床試験についても理解しておきましょう。

1.手術

手術療法では、がんを取り除くことで早期改善を行うことができます。がんが見つかった部分だけではなく転移した部分も同時に取り除くことができますし、病気の原因である腫瘍だけでなく検査では見つけることができない小さな腫瘍も同時に取り除けるため、完治しやすいというメリットがあります。

しかし、手術は体に大きな負担がかかります。体に傷を付けるため体力の消耗も激しく体の回復に時間を要するでしょう。また、がんを取り除く際に臓器や体の部位を失う可能性もあります。

近年は切り取る部分を最小限に抑える方法や体への負担を軽減する方法も増えてきました。そのため、早く確実に治したい人、がんが進行している人が選択することが多い療法です。

2.薬物療法

抗がん剤を使い体内のがん細胞が増えるのを抑えたり死滅させる療法です。抗がん剤は内服薬の場合もありますし、点滴や注射で体内に送る場合もあります。薬剤はすぐに体内に行き渡るため、小さながんや体の様々な部位に転移したがんにも効果を発揮してくれます。

しかしがん細胞を死滅させるほどの薬物の力は強力です。抗がん剤の副作用は、脱毛や吐き気、しびれ、倦怠感、内臓や造血器官への障害が起こる可能性が高いです。薬物治療は体に大きな負担がかかります。現在は副作用の少ない抗がん剤も増えてきましたが、それでも副作用が起こる可能性は高いでしょう。

乳がんや前立腺がんなど男性特有、女性特有のがんにはホルモン分泌を調整するホルモン療法が用いられることもあります。

3.放射線治療

がんに放射線を照射することでがん細胞を局所的に死滅させる治療法です。

放射線治療は近年どんどん進化しています。放射線治療を行う前にさまざまな検査を行い、がんの大きさや位置を測定し、がんにピンポイントで放射線を照射することができるようになりました。そのため放射線療法の精度はどんどん上がっています。

放射線療法は外部から照射する方法が主流ですが、密封したハリやカプセルを体内に挿入し行う密封小線源治療や、薬として放射性物質を体内に送りこむ放射性同位元素内用療法もあります。

放射線を照射した部位やその周辺に炎症が起こったり、めまいを感じるなどの副作用が出る場合もあります。しかし副作用を和らげる対策をしながら治療を進めれば、辛さもそこまで感じずに治療を進められるはずです。

4.世界に注目される「がん免疫療法」

がんの治療方法は手術、薬、放射線治療が主流です。しかし第4のがん治療として注目を集めている治療方法があります。免疫療法です。

免疫は人が健康であるために生まれたときから持ち合わせている健康を維持するための機能です。免疫力が高ければ高いほどがんに掛かりにくい丈夫な体ということになります。

現在、免疫力についての研究がどんどんと進められていて、がん治療にも免疫は効果的だということがわかりました。免疫に着目した治療は即効性はありません。確実性も、今までの治療方法に比べると薄いでしょう。

しかしもともと備わっている力を高める治療方法なので安全に、副作用もなく、健康を維持しながら続けられるというメリットがあります。

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5.先進医療と臨床試験

先進医療とは、厚生労働大臣の承認を受けた新しく開発研究されている医療技術のことを言います。まだまだ新しく知名度も低いですが、大学病院などできちんと研究されているため安心して治療を受けることができます。(参照:厚生労働省「先進医療の概要について」)

しかし、先進医療の費用は保険適用外で全額自己負担になるため出費がかさみます。とくにがん治療は期間も長く再発する可能性も高いため、先進医療を選択するには勇気も予算も必要となるでしょう。

臨床試験は、現在行っている治療方法よりもより効果があり確実な治療方法を確立させるため、患者さんと協力をしながら新しい治療方法を試したり、薬を使用したり、病気に対して有効かどうか調べる試験のことをいいます。

こちらも厚生労働省より承認を受けている治療方法です。

日本のがん患者、そして死亡する人が増え続けている理由

落ち込む人

がんは日本人の死因第一位、実に30パーセントほどの人ががんが原因で亡くなっています。しかしがんの死亡数が増えているのは、先進国では日本のみだといわれています。日本のみが、がんで亡くなる人が増え続けているのです。これにはいくつかの理由があります。

まず、この30年もの間にがんでの死亡数は2倍に跳ね上がっているのです。それほどまでにガンを発症する人が増えています。これは、日本国内の高齢化が原因のひとつに考えられます。

先進国は医療制度が発達しているため、がんを早期発見早期治療し、手遅れになる前に治すことができる国が多いのです。

しかし日本は高齢化のスピードがとても早いのです。がんは年齢を追うごとに発症しやすくなり、完治も遅くなります。だからこそがんでの死亡者が増えているのでしょう。

また食生活も関係しています。昔の日本は病気になりにくい健康的な粗食中心でした。しかし現在は食の欧米化が進み、野菜よりも動物性たんぱく質を好んで食べる人が増えてきました。

日本人の体には負担が大きい食生活を続ける人が増えたため、がんを発症する人が多くなったのでしょう。

高齢化は仕方のないことではありますが、生活習慣も日本人ががんを発症する原因に深く関わっていたのです。

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がんを予防する!免疫とがんの関係性

セキュリティ

がんは免疫病とも呼ばれている病気です。なぜなら、免疫力を高めれば高めるほどがんの発症しにくい健康的な体を手に入れることができるからです。

年齢を重ねれば重ねるほどがんになりやすくなるのは、体の免疫力が低下していくるからです。足腰も弱まり、運動を十分にできなくなり、栄養も不足していきます。そのせいで、がんが発症しやすくなります。もちろん免疫力が高い人が確実にがんにならない、というわけではありません。

しかしがんになる確率を下げることはできます。

なぜ免疫力を高めるとがんになりにくくなるのかというと、体内では日々免疫とがんが戦っているからです。免疫システムは、体内に異物が入り込むと排除してくれます。体内でがん細胞が発症しても、免疫力が高ければすぐに排除することができます。

外敵から体を守り、病気になるのを防いだり、かかった病気を治そうとする力が備わっています。これが「免疫力」です。

逆に免疫力が低ければ、がん細胞を見逃してしまいどんどんがん細胞が成長してしまうのです。

がん治療を行ううえでも免疫は大切です。免疫力を高めることで腫瘍が小さくなりがんによる体調不良が緩和したり、治癒の効果が期待できたり、延命効果も得られます。

免疫力を高めれば、がんだけではなくあらゆる病気の予防につながります。健康的に過ごすためにも免疫はとても大切なものなのです。

がんは早期発見・早期治療が最善の策!

聴診器とメモ

がんは早期発見・早期治療がとても重要な病気です。そのため定期的に検査を受けるようにしましょう。がんだと診断されると、手遅れだと思ってしまうかもしれません。しかし初期であればあるほど、治る可能性は高いのです。

がんの初期症状はたんなる体調不良の場合が多いでしょう。だからこそ、がんだと気づかずに放置する人が多いのです。

ちょっとした頭痛、腹痛、けだるさ程度で病院に行き精密検査を受けるという人は少ないはずです。この選択が、がんを進行させ手遅れにしてしまう可能性があります。

市区町村では定期的にがん検診を行っているところも多いでしょう。がん検診を受けることで、早期のがんを発見することができますし、がん以外の病気を見つけられる場合もあります。もちろん、問題がなければその後も安心して生活を続けることができるでしょう。

がん検診の診断が100パーセント正しいというわけではありません。特に初期状態だとがんを見逃してしまう場合もあります。確実に見つかるという保証はありませんが、健康的な生活を送るためにも定期的にがん検診を受けましょう。

また、規則正しい生活習慣を送り、がんになりにくい強い体を手に入れることも大切です。

がんだと診断されて慌てない人はいません。まずは家族に相談し、友人、相談支援センターなどを活用して必要な情報を手に入れましょう。ネットを活用すればさらに早く情報が手に入ります。ただ、信用できる情報源かどうかは見極めなくてはいけません。厚生労働省のe-ヘルスネットにも「がんについての情報をさがすヒントとなる10ヵ条」が公表されています。得られた情報を元に家族、そして主治医の先生にも相談しましょう。まずは自分に知識を蓄える、その上でがんと向き合うのが先決です。

まとめ

看護師と患者

がんは決して怖い病気ではありません。がんになる原因を見るとわかりますが、ほとんどが不健康が理由で起こる病気です。もちろん健康的に過ごしていても癌が発症する場合はありますが、体に良い生活を心がけていれば発症率を格段に抑えることができるのです。

また日本国内ではさまざまながん治療を受けることができます。治療次第でがんを取り除いたり症状を軽くすることもできます。もちろん、定期的な検診を受けていれば、早期発見を行うことができ、悪化する前に治療をすることだって可能です。

だからこそ、がんは怖い病気ではありません。

がん、と聞くだけで怖い病気だと思う必要はありません。もしがんになるのが不安だという人は日ごろから免疫力を高める努力をしてみてはいかがでしょうか。

飲酒喫煙、暴飲暴食、運動不足や睡眠不足もがんの原因ですが、免疫力の低下や加齢でがんが発症するという人もとても多いのです。加齢を食い止めることはできませんが、免疫力を高め、体内環境を健康的に維持する努力をすれば、体の中からアンチエイジングを行えますし、あらゆる病気の予防にもつながります。

病気にならないためには、健康的な体内環境を作り免疫力を高めることがとても大切なのです。

ジョギング

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