西洋医学によるがん治療を補ったり、またそれに代えて行う医療のことを代替療法と言います。よく注目されるのは健康食品やサプリメントですが、鍼灸やマッサージ療法、運動療法なども含まれます。

代替療法は、西洋医学の領域において科学的未検証、臨床未応用のものです。そのため、この治療を行うことで一定の確たる効果が得られるという根拠もありません。

こう言ってしまうと参考になる治療方法では無いのでは?と思うかもしれませんが実際にはそうとも限りません。今回はその代替療法について解説していきます。

代替療法の可能性とは

医者

代替療法は国立がん研究センターにおいてもその可能性について解説されています。

一部の補完代替療法については、その評価を科学的に行ったり、これまでの研究を整理する取り組みや、それに基づいた効果や安全性の評価が専門家、研究者によって行われています。

代替療法をがんの治療に取り入れていく場合に大切になってくることは、標準的ながん治療のサポートとなるか、害を及ぼす可能性は無いか、利用やお金がかかり過ぎないか、担当医が容認してくれるかといったことです。

医師によって容認、推奨してくれるものも多々ありますが、がんの進行を遅らせたり生存率を高めるものとして認められてはいませんから、この点については大前提として心得ておかなければなりません。

中には行うべきでは無いと判断されるものもあるので、すべてが治療のプラスになるとは限らないといったことについても理解をしておきましょう。

代替療法の効果は?

診断結果

代替療法を検討していく上で注意したいのは、現段階においてこの治療方法が、がんの進行を抑える、生存率を高めるといった効果について科学的に認められているものは1つも無いという点です。

がんの症状や治療の副作用による吐き気やだるさなどを和らげ、生活の質を上げることは期待できても、がんそのものの問題に直接の作用は無いのです。

そのため代替療法については、医師によって判断が大きく分かれます。推奨、容認をする医師もいれば、科学的根拠が無いので意味が無いと反対をされることもあるでしょう。

推奨、容認する医師においても、自ら薦めるといったことはまずありません。

医師から代替療法を薦めることはない

ドクター

がん治療において患者自らや家族が情報を調べ、その過程で代替医療について知り話をもちかけることで相談に乗ってくれることはあっても、医師が自らこの話を持ちかけるといったことはほぼ無いといって良いでしょう。

代替療法の中には、がんやその治療による副作用の症状を和らげてくれたり、精神的なストレスを緩和させてくれるものもあります。

しかしこういった効果のあるものは、緩和ケアなど柱となる治療と一緒に並行して行われていくことがほとんどです。

代替療法は、同じ目的で行う病院での治療とは別に、新たにお金と時間をかけて取り組むものとも言えますから、このことはよく心得ておきましょう。

そう言うと同じことをわざわざ手間をかけてと思うかもしれませんが、どんな治療がどのような効果をもたらしてくれるかといったことは解りませんし、病院で受ける治療で何の改善も得られない場合には新たな希望が見出せます。

しかし、科学的根拠のあるものでは無いということについては、常に胸に留めておかなければならないのです。

また、がん治療において大切になるのは西洋医学によるメインの治療ですから、治療の邪魔にならないようにすること、医師にきちんと相談することも忘れてはなりません。

代替療法一覧

チェックポイント

代替療法には様々な種類があり、それぞれ身体に及ぼすと考えられている効果は違います。

マッサージから薬物療法までその内容は幅広く、中には西洋医学によるがん治療と並行して行う場合、害が無いか考慮が必要になるものもあります。

逆にメインの治療には影響を及ぼさず、メンタル面で支えとなり効果が期待できる治療方法もあるので、どんなものがあるのかをよく知り、役立てていける可能性があるかどうかを見出していきましょう。

ホルモン療法(薬物療法)

薬

抗ホルモン薬によってホルモンの分泌を抑え、がんの進行や増殖を抑える治療方法です。がんの種類によっては特定のホルモンが原因と考えられており、分泌を止めることでがんの活動を停止させます。

前立腺がん、甲状腺がん、子宮がん、乳がんなどに用いられ、抗がん剤治療に比べて副作用が少ないといった特徴があります。

術後の再発防止、局所療法が行えない場合に行われることが多く、費用は1ヶ月1~5万円ほどと言われています。ジェネリック医薬品を使うことで費用が抑えられ、また厚生省認可のホルモン剤を使用する場合には保険適用です。

ホルモン療法で問題とされるのは、永久に生殖機能を止めるという点です。

ホルモン療法は止めれば再度ホルモンが分泌されることになりますが、治療をするということは永久にホルモン分泌を抑え続けるということになり、その限り生殖機能もストップします。

ならば薬が身体に与え続けることになる影響も考えて、摘出や放射線照射という形でがん治療を行った方が良いと考える医師もいます。

また代替療法を優先させ標準治療をおろそかにしてしまうといった問題も出てくることから、慎重に選択を行っていかなければなりません。

切らない凍結療法

治療

液体窒素などのガスを使用し、がん病巣を凍結させ殺す代替療法です。がん細胞は凍結させることで活動が停止するので、凍結療法を何度か繰り返して完全な死滅を目指します。

主に肺がん、肝臓がん、腎臓がん、前立腺がん、子宮がんなどに用いられる方法です。

標準的ながん治療で行われる手術と違い、切らないことから、患者さんの身体的、体力的負担が少なくて済むというのが最大のメリットです。

術後の生活の質も大幅に向上します。治療時間は3cm以下の小さながんなら1時間半程度、3cm以上の大きながんでも3時間ほどです。

臨床試験段階の治療方法であり、有効性や安全性について確証を得られるほどのデータは無いものの、今後がん治療において注目されている方法の1種です。

凍結療法はまだその治療方法が確立されておらず、病院や医師によってやり方が異なるという点が問題に上げられます。

手順、使用するガスや冷却の時間など大きく異なるため、患者さん自身で病院を見極め判断していかなければならない部分も大きいです。

またやり方が異なることから治療にかかる費用もまちまちで、平均的な金額を挙げることができず、それぞれの金額を自分で調べなければなりません。

レーザー療法

手術

がん病巣部にレーザーを照射することで腫瘍を縮小、死滅させる代替療法です。主に内視鏡で行われ、その先端からレーザー光線を照射します。

用いられるレーザーの種類は二酸化炭素レーザー、アルゴンレーザー、ネオジウムレーザーなどがあり、どれを使うかは治療方法によって異なります。

標準的ながん治療の手術と異なりメスを使用しないので、患者さんの身体の負担が少なくて済むのが大きなメリットです。

体力的な問題から手術が難しいといった人にはより良い選択肢となってくれ、また治療後の生活の質も大幅に向上します。

一方でこの治療は内視鏡によるものがほとんどであることから、レーザーが使えない部分のがんを治療できない、表面的にしか作用せず深く組織に潜りこんだがんには使用できないといった問題があります。

がんの種類や程度によって限定的にしか利用できないため、活用度の高い選択肢とは言い難いでしょう。

費用については部位によって異なりますが、手術よりも安く済むことも多いです。

ただ同じ種類のがんでも治療の内容によって金額が倍近く変わってくるので、この点についてはよく確認し、医師と話し合って選択していく必要があります。

サイモントン療法(心理療法)

医者と患者

がん患者にあるイメージを描かせて治療を行う代替療法です。

開発者のカール・サイモントン博士が、希望を持ち前向きに生活するがん患者と、あきらめや絶望の中で生活するがん患者では、回復に大きな差が出たのを目にしたことから生まれました。

リラクゼーションとイメージングによって心の満足感をイメージするというプラス思考で、免疫細胞の1種であるナチュラルキラー細胞を増やし、がん細胞を破壊していくことを目指します。

人間の精神や感情が免疫機能に作用するところは大きく、がん治療だけでは無く近年はストレスに起因する病気の治療にも採用されるようになりました。

サイモントン療法による治療はNPO法人が行うベーシックプログラムに参加して行うのが一般的であり、費用は参加の仕方で異なりますが10~20万円といった金額がかかってきます。

プログラムはいつでも行っているというわけでは無く、また高額な費用が必要になるのが、この治療の問題点と言えるでしょう。

また例え病状が改善したとしても、その理由がこの治療によるものと断定することができないのも、この療法の効果を考える上での難しい問題と言えます。

生きがい療法(心理療法)

笑った親子

前向きな気持ちを持つことでプラス思考となり、身体の持つ免疫力を高めることを目的とした代替療法です。

趣味など楽しいと思えることに打ち込む、人のためになることを実践することで後ろ向きな気持ちを払い、不安やストレスを抱えないよう努めていきます。

メンタル面に対するアプローチであることから、標準的ながん治療に対する影響はほとんどありません。

身体の免疫力はストレスや不安によって低下するものなので、気持ちを前向きに持ち、免疫力や自然治癒力を高めていくということは非常に大切なこととも言えるでしょう。

一方で生きがい療法の問題点となるのが、決まった治療方法が確立しているわけでは無いので内容が解りにくい、治療を利用するには活動を行っている組合への加入が必要となることもあるといった点です。

基本的に自分自身の心の持ちようによって治療に取り組んでいくこともできますが、誰かの力を借りるといった場合には活動している団体への加入が必要であることがほとんどです。

個人なら費用は掛かりませんが、活動団体に入会する場合は年会費や活動に参加する費用が必要になり、こういった点がかなり曖昧になってくる治療方法と言えます。

マッサージ療法

マッサージ

血行やリンパの流れを改善することで、がんの症状やがん治療による副作用を軽減させるという考えに基づく代替療法です。

むくみなどを取る他、リラクゼーション効果もあるので、メンタル面にも良い効果を及ぼしてくれます。自身でもできる簡単なものはもちろん、専門家に依頼して行うこともできるため、決まった費用というのはありません。

この代替療法については、血行やリンパの流れを良くすることで、がんの増殖する力が高まるのではないかといった考え方があるのが問題となります。

マッサージによるがんへの影響は科学的に証明されるものでは無いため、この点については個人で判断していかなければなりません。

リンパマッサージの効果は?症状が軽くなる?

腫れた首

マッサージによってリンパの流れを改善することで、免疫機能の向上を目指していくものです。

リンパ液の流れを改善することががん細胞の増殖に繋がるのではといった考えもありますが、基本的に現代医学では少しのマッサージでがんが悪化することは無いと考えられています。

がんの症状やがん治療の副作用で身体に痛みやむくみが起こることは多く、リンパマッサージはこういった症状を和らげることが期待できます。

症状に関係無くマッサージそのものの気持ちよさが心身をリラックスさせてくれる効果があるので、がん治療におけるメンタル面のケアとしての役割も果たしてくれる代替療法です。

リンパマッサージによってがんそのものが良くなるといったことはありませんが、副作用なども無く自分自身でも簡単に始められる代替療法なので、標準的ながん治療と合わせて行っていきやすいです。

数ある代替療法の中でも、取り入れられやすい傾向にあります。

乳がんの手術後の腕のむくみ改善に行われることも多いものですが、実際に取り組む場合はきちんと医師に相談しましょう。

特に手術直後は傷跡などに影響を及ぼすこともあるので、無理に行ってはいけません。

オイルマッサージの効果は?症状が軽くなる?

オイル

代替療法としてのマッサージでは、オイルを使用して行うこともしばしばです。ただマッサージを行うよりも滑りが良くなるため一層気持ちよく、リラクゼーション効果を得られます。

基本的にノーマルなマッサージ、リンパマッサージと行うことに違いはありませんが、エッセンシャルオイル等によって嗅覚からリラックス作用を訴えることもあり、抑うつ状態の軽減などにも効果が期待できます。

またヒマシ油などを利用する場合はこの成分が体内の毒素を溶かし、リンパや腎臓から排出されることを期待します。

オイルマッサージががん治療において悪影響を及ぼすことは滅多にありませんが、オイルを使用することから手術後には傷跡に響く恐れもあるので、行なっても問題無いかをきちんと医師に確認するようにしてください。

術後というのは特に感染症や合併症、傷口の化膿などが心配になるため、こういった点において問題とならないよう注意することが必要です。

またオイルマッサージによる改善効果は持続的なものでは無く、3週間程度経つと完全に無くなってしまいます。一定の持続効果を得るためには継続して行なっていく必要があるので、この点については理解しておきましょう。

エネルギー療法

瞑想

人間の身体の内外に存在するエネルギーに働きかけてがん治療を目指す代替療法です。霊気、ヒーリングタッチ、磁気療法やビューティックタッチ、セラピータッチといったものがあります。

多くの場合は施術者が患者の身体に手をかざす、もしくは直接触れ、患者の身体のエネルギーを高めたり、施術者自身のエネルギーを患者に送り込むというものです。

いずれの方法においてもがんの代替治療においては検証データや科学的根拠がありません。日本でこの療法を行うようなことは非常に少なく、またそのために費用の基準も無いのが現状です。

中には詐欺まがいのものも多く、本当に効果がある施術を行える施術者を見つけることも難しいでしょう。

しかしアメリカでは医療の現場でも導入されている代替治療で、主に肩こりや腰痛、ストレスや抑うつ状態の改善に役立つと考えられています。

他の治療では効果が無いのにエネルギー療法では痛みや不安の軽減に効果が見られることが多く、今後より検証が必要な治療方法とされているのです。

標準的ながん治療への影響や副作用が無いことから代替医療として取り入れやすいですが、利用する場合には医師に相談するようにしましょう。

腫瘍細胞ワクチン療法

薬

患者自身の身体から取り出したがん細胞を使いワクチンを作り、体内に投与してがん細胞の死滅を図る代替療法です。

免疫細胞と異なり、がん細胞の抗体をワクチンとして投与することでがん細胞の目印を増やして、免疫細胞が攻撃しやすい状態を作ることを目的としています。

ワクチンは患者のがん細胞を利用して作られるオーダーメイドであることから非常に高い効果が期待され、また安全性が高く副作用が無いといったメリットもあります。

一定の効果が確認されている治療方法でもあるので、がん治療の代替療法の中でもより確実性が高いものと言えるでしょう。

自由診療であることから費用が非常に高額であるというのが1番の問題点です。1コース3回で150万円前後が相場となるため、気軽に選べる選択肢とは言えないでしょう。

また一定の効果を上げているものの科学的根拠があるものでは無く、治療の効果の有無についてはあくまでも自己責任となります。

医療機関で治療を受けることになるので、行なっても問題無いか、標準治療とどう並行していくかなども主治医としっかり話し合っていかなければなりません。

ぺプチドワクチン療法

注射

人工抗原を利用した代替療法で、ワクチンを投与することで免疫細胞ががん細胞の情報を覚え、それをもとにがん細胞を探し出し攻撃をします。

腫瘍細胞療法との最大の違いは、がん細胞の抗原を人工的に作成する点で、このことから手術を行えない患者さんでも行うことができます。

手術ができなくても実施できる、1回のワクチン投与につき約10万円と腫瘍細胞療法よりも費用が安い、副作用が少ないといった点がメリットです。

個人差でワクチン接種後に軽い熱や下痢の副作用が見られることはありますが、抗がん剤に比べると格段に軽いので、負担が少なくてすむ治療方法と言えます。

一方で問題点となるのが、白血球の型が合わないと受けられない、投与できる人工抗原の数が少ないといったことです。

白血球の型は血液検査で調べますが、この時点で抗原が使えないとなると断念しなければなりません。

また、型が合っても200種類以上ある抗原の中からより反応の良い4種類ほどをピックアップしてワクチンを作るため、確実に効果を出すためには種類不足が否定できません。

またがん治療を行っている病院でこの治療を受けられるとも限らないので、こういった点についても主治医と相談が必要になります。

抗体療法

治療

抗体療法は、人工的に作成した抗体を使用したがん治療の代替療法で、一定の効果が認められていることから、乳がんや大腸がんといった一部においてはすでに標準治療として採用されています。

人工的に作った抗体を投与することで本来抗体を作る役割を担う免疫細胞をサポートしていきます。

代替療法はがん治療において科学的根拠が無いという問題がありますが、その点この抗体療法は一部のがんにおいて一定の効果が認められており、保険適用で治療を受けることが可能です。

また副作用が少ない、効果を発揮する時間が長いなどといったメリットもあるので、より良い結果を期待して選択することができます。

反面、治療に使用する抗体医薬品が開発段階であることから、非常に高額であるといった問題もあります。

保険適用となっているものでも1回の点滴につき約4万円なので、1年に渡り数回受けると年間数十万円といった治療費が必要です。

また現在の製薬技術では内服薬が作れないため、治療は点滴もしくは注射で行わなくてはなりません。体質によっては点滴が入りにくいといった人もいるので、こういった場合は毎回の治療で手間がかかることも予想されます。

がんカテーテル治療

病院のベッドで寝る女性

カテーテルを使用して抗がん剤を投与するがん治療の方法です。

がん目掛けて高濃度の抗がん剤を投与できるため、内服薬や点滴に比べてより高い効果を期待することができます。様々な種類のがんに利用できる代替療法で、専門の治療センターを設けている病院もあります。

抗がん剤の量を調整できるので副作用を極力抑えることができる、それによる生活の質の向上、短期入院で治療が受けられるといった点がメリットです。

抗がん剤の治療による身体の負担を軽くすることができるので、副作用が強く出てしまうような場合には非常に良い選択肢となってくれます。

治療費用は病院や治療の内容によりますが、保険が適用されるケースが多いです。総治療にかかる費用は60万円前後という声もありますが、必要になる治療によって異なるので各々のケースで確認が必要です。

また様々な治療が行える方法ではありますが、大腸がんなどは抗がん剤に弱い組織であるため、がんカテーテル治療を行うことができません。

この他、局所治療であることから病状の改善や予後の延長が見込めない、重篤な合併症を引き起こす可能性があるといった場合も治療は行えません。

根拠が薄いネットに溢れる治療法

パソコンをする医者

補完代替療法には様々なものがありますが、いずれも充分な科学的根拠が得られていないという点で共通しています。

しかしその中には医学、科学に基づかない一種のオカルト的なものや、健康には良くてもがん治療には全く関係しないものもあり、こういったものについては各自がよく見極めていかなければなりません。

代替療法は選択を間違えるとがん治療とはかけ離れ、詐欺やマルチ商法に巻き込まれてしまうことも出てきますから、理論に基づき効果が期待できるものを選択していけるようにしましょう。

ネットで検索をかけると疑わしい様々な治療方法がヒットしますので、こういったものに惑わされないようにしてください。

気功ががんに効果的?

気功

気功は、生命エネルギーである気によって身体の持つ自己治癒力を高め免疫機能を活性化、がん細胞と闘う力を強くしていくという代替療法です。

心身のリラックス、血液やリンパの流れを改善し生体機能を高められるとされていますが、日本の医療現場には浸透しておらず、その利用は全体の3.8%ほどでですが、鍼灸などよりは多く試されています。

アメリカや中国においては日本よりも注目され治療の効果などについても研究が発表されていますが、実際のところがん治療において気功を行ったとしても、より良い効果が出たところで果たしてそれが気功によるものであるかを証明することができません。

がんへの影響との因果関係を示すものが無いため、良いものとも悪いものとも断定することは不可能なのです。

がん治療の代替療法としては郭林気功法というものが有名で、独特の呼吸法を身につけることでがんを縮小、消滅させるというものです。

開発者自身がこの気功法によって余命半年と宣告されながら75歳まで生き、今までに150万人以上のがん患者に変化が現れたとされていますが、科学的裏付けがあるものでは無いため、やはり効果があると断言は難しいでしょう。

がんに鍼灸は効果あるの?

鍼灸

腰痛や肩こりなどの治療で利用されることが多い鍼灸ですが、がん治療の代替療法として用いられることも多々あります。

鍼やお灸を使ってツボを刺激し血行、リンパなど身体の内側のめぐりを改善、身体の緊張などをほぐしていくものですが、神経系疾患から循環器、呼吸器、消化器、代謝分泌などあらゆる疾患に効果があるとされています。

がん治療における鍼灸は、がんそのものの治療では無く、症状として現れる痛みの緩和や抗がん剤の副作用緩和、闘病生活による精神的・身体的苦痛の緩和を目的として行われるので、標準治療の代わりとなることはありません。

抗がん剤の副作用への効果としては早期に関してのみ効果があるとされています。

また鍼を打つことから出血、内出血について注意が必要で、特に血小板の数が少なくなっている、がんが進行して出血しやすい状態になっているといった場合には鍼灸を行っても良いか、主治医との相談が必要です。

幅広い症状に効果が期待できる反面、がんそのものには効かず他の方法でも代わりが利くので、慎重に判断して選択していかなければならない治療方法です。

瞑想による心理療法

瞑想

瞑想は、黙想することで心を無の状態にして雑念を払いのけ、心をリラックスさせるものです。代替療法の中でも数少ない心理療法で、心の不安やストレスを取り除くことで免疫力を高め、様々な症状の改善を図っていきます。

精神的にリラックスすることでがん治療に対する不安や抑うつ状態などを改善、疲労感や倦怠感、睡眠障害などの効果があるとされています。

しかし、がんそのものに直接何らかの効果を発揮するものではないため、標準治療の代わりとなるものではありません。

また病は気からという言葉があるものの、各症状が緩和されたからといって、その効果が瞑想によるものであるかは、科学的に証明することが難しいでしょう。

副作用を起こすものではないので、瞑想はがん治療と並行して行うことに何ら問題はありません。特に決まったやり方があるものでは無いことから、誰かに習う必要も無く一人で取り組むことができます。

ただし瞑想はヨガとセットにして考えられることが多いため、こちらも一緒に行うという場合には医師に相談をしてください。

ヨガは激しい運動では無いものの身体を大きく動かすことが多いので、特に術後などは治療痕に影響が及ぶ可能性があります。

酵素風呂

温泉

酵素風呂とは、発酵させたおがくずや米ぬかの中に入る、お湯を使わないお風呂のことです。発酵熱によって高い温熱効果が得られ、身体のすみずみまで温まることができます。

体感温度は45度ほどで、入浴時間は20~30分ほどとされています。

温熱効果によって身体の芯から温まることができる、強い発汗作用とリラクゼーション効果が得られるのが酵素風呂の特徴です。

酵素風呂による効果ががん治療に医学的に影響を与える根拠はありませんが、がん治療の症状や治療の副作用の改善には良いもので、またストレスの緩和にも繋がることから、免疫力低下の予防にも繋がってきます。

身体を温めるという単純なものでありながらも、健康維持・免疫力アップには非常に大きな意味を成すものなので、代替療法として多くの人が実践しています。

副作用があるものでも無く、またがんに悪影響と思われる作用も無いので、標準治療とも何ら問題無く併用することが可能です。

しかし非常に高い温熱効果であることから1回の入浴で消耗する体力が大きいということは、よく理解しておく必要があります。体調や体力をみながら、無理のない範囲で利用することが大切になります。

マクロビオティックという食生活

サラダ

マクロビオティックとは玄米菜食主義のことです。マクロビオティックは一部でがんにならないといった説があり、健康への意識が高い人が実践する傾向にあります。

確かに動物性たんぱく質や脂質はがんのリスクとして挙げられることもありますが、だからといってマクロビオティックの人達が果たして本当にがんにならないかというとそうでもありません。

主義者として知られる著名人やそもそも提唱した指導者本人ですら、がんを患い治療を受けています。

がんの治療においては身体そのものの健康が大切になるので、食べ物などにも充分気をつけていく必要がありますが、マクロビオティックはその点で摂る栄養や代替となる栄養が限られてくるため、強い身体を維持することが困難です。

がん治療の代替療法としてマクロビオティックを始めるようなことがあれば、容体がますます悪化する恐れも出てきますから、あまりおすすめはできないでしょう。

大切なことは、動物性たんぱく質を食べない・野菜だけの健康な生活を送るといったことでは無く、様々な栄養をまんべんなく、バランス良く摂ることですから、このことをきちんと胸に留めておきましょう。

ホメオパシー

吐きそうになる女性

ホメオパシーは、特定の症状は身体の内側から必要があって表に出てくるものなので、出し切ってしまえば治癒できるという考えのことです。

日本ではあまり耳にすることが無い言葉ですが、アメリカではがん治療の代替療法の1つとして実践されています。

健康な人に特定の物質を投与することで症状が現れた場合、再びその物質を投与することで症状が治る。

ホメオパシー治療による薬を、元の分子が無くなるほど希釈することで有効性を高められるという2つの考えに基づき、患者自身の自己治癒力を喚起させ、身体に悪影響を与えず症状だけを取り除いていきます。

イギリス国会では最も安全な治療と評価され、インドでは第一医学として用いられているホメオパシーですが、日本においては臨床試験や解析が行われてきたものの、特定の症状の治療に対する効果の科学的根拠は認められていません。

日本においてはむしろオカルト的に信仰する人が多く、がん治療に代わるものでは無いのに通常医療をやめてしまったりする人がおり、問題となっています。

利用をするにしても本来受けるべき治療を行いながらということが大前提となってくるため、関心がある場合には必ず医師に相談をしなければなりません。

プロバイオティクス

ヨーグルト

プロバイオティクスは、健康に有益な働きをもたらす微生物の力を利用した健康法で、主に善玉菌などの腸内細菌の働きを活用していきます。がん細胞を攻撃するNK細胞を活性化させたり免疫機能を高めるといった効果が期待されます。

腸内細菌のバランスが良好に保たれることで病気になりにくい身体を維持できるといった研究結果が出ていることから、プロバイオティクスの効果もがんには良い影響をもたらしてくれると考えられています。

腸内の悪玉菌はがんや病気のリスクとなるものなので、悪玉菌を減らして善玉菌を増やすということは予防の点からも非常に有意義です。

しかしプロバイオティクスの効果ががん治療そのものに良い効果を表してくれるということは無く、行なうことによるメリットは抗がん剤治療による副作用の軽減、手術後の感染症予防といった程度のものです。

あくまでも標準治療のサポート的役割を果たす代替療法であるということは忘れてはなりません。

善玉菌は乳酸菌飲料やヨーグルトから気軽に摂取できるので、こういったものを利用する場合は安全性に問題はありません。

ただ、様々な成分が入ったサプリメントとなると成分自体の真偽性が怪しく、また高額な健康食品詐欺などの可能性もあるので、気をつけてください。

遺伝子治療

顕微鏡

遺伝子異常を起こしている状態であるがん細胞の遺伝子そのものを組み換え、治療を行っていく方法です。がん細胞の無限増殖をブロックし、それによってがんの消滅を目指していきます。

点滴や注射で治療が行えることから入院の必要が無く、また副作用など身体への負担が非常に少なくて済むのが大きなメリットです。

ほとんどのがんの治療が可能で適用範囲が広く、年齢制限も無いことから非常に魅力の多い治療方法ではあります。

しかし一方で遺伝子治療は期待した効果が得られなかったなど、患者や遺族側と病院側でのトラブルが絶えません。

1クール6回当たりの治療で費用が120万円を超えるなど非常に高額であることから、効果が得られなかった場合は高い確率でトラブルとなってしまうのです。

治療の内容は非常に医学的なものですが、安全性や有効性が立証されていないものであるため、がん治療の代替療法として検討する場合は非常に慎重な判断が必要でしょう。

標準治療に代わるものでは無いということをよく理解し、主治医に相談してください。日本ではそもそもこの治療に関して国に承認された薬はないので、こういった点についても心得ておくことが大切です。

ビタミン摂取による抗がん効果

野菜いろいろ

各種ビタミンには抗酸化作用や免疫機能を強化する効果がありますが、その中でも特にビタミンCはその効果が顕著です。

またビタミンCには抗がん作用があるとも考えられており、がん予防を目的として積極的にビタミンCを摂取する人も少なくありません。

実際にビタミンCを多く摂取している人はがんを発症するリスクが低いと考えられています。

しかし直接の効果であるという科学的根拠があるわけでも無いため、安易にビタミンCでがんが予防できる、治せるとは言い難いでしょう。

また同じビタミンCでも、野菜やフルーツから摂るものでは期待ができ、サプリメントでは効果が得られないなどといった説もあります。

効果は期待されつつもその根拠はかなり曖昧なので、この利用についてはあくまでも参考程度に留めておきましょう。

ビタミンCは摂取し過ぎると胃痙攣や吐き気をもよおすことがあるので、抗がん目的で利用をする場合は注意が必要です。

血小板の凝固を妨げる作用もあり、がん治療の内容によっては悪影響を及ぼす可能性もありますから、代替療法として実践したい場合には必ず医師に相談してください。

まとめ

グラフ

代替療法は総じて充分な科学的根拠が得られていない治療法ですが、それぞれの方法は医学に基づくものから全く関係の無いものまで様々です。

中には一部がんにのみ科学的根拠を認められ、標準治療として用いられているものもあり、一言に代替療法とまとめてもその内容には大きな違いがあると言えるでしょう。

がん治療において代替療法を検討する場合に大切なのは、標準治療に代わるものでは無いということへの理解です。

誤った情報が広まっています

個人が様々ながん治療の情報を得られるようになった昨今では、誤った情報も蔓延し、それを信じ込んでしまうことがしばしばあります。

中には標準治療をやめて代替医療に専念してしまう人も多く、それが仇となってがんが悪化してしまうといったこともあるので、代替療法に極度な依存をすることが無いように気を付けなければならないのです。

標準治療で思うような効果が得られず代替医療を行ってみたいという場合には、素人の考えで決断してしまうのでは無く、必ず主治医に相談をするようにしましょう。

代替医療の相談に積極的にのってくれる医師は非常に多いですから、関心があるものについて話を持ちかけてみてください。

標準治療への影響の有無や、メリット、デメリットなどについても医学的な知識をもとに説明してもらえるでしょう。