2人に1人ががんになると言われているこの時代。しかしながら、周りに実際にがんを患っている方はどのくらいいますか?2人に1人は言い過ぎではないか、と思われている方もきっといるのではないでしょうか。

日本においては2016年においてがんという病気で亡くなられている方が372,986人います。そのうち男性が219,785人、女性が153,201人です。

さらにさかのぼること2013年、この年にがんと診断された方は862,452例で男性が498,720例、女性が363,732例です。がんという病気は年齢関係なく発症します。

しかしながら、年齢とともにがんになるリスクは高まり、がんにより死亡するリスクも年齢と比例し高くなってきているのです。がんと年齢の関係性はどこまであるのか、また年齢別の予防について勉強していきましょう。

女性と男性でがんのなりやすさに違いはある?

上昇するグラフ

女性に比べると男性というのは、がんになりやすい傾向にあり、55歳を過ぎたあたりから死亡率がぐんと高まっているのです。

また、できる部位によって若いうちにできやすいがん、年齢を重ねるごとにできやすくなるがんもあります。たとえば、男性の場合前立腺がんは40代で発症するリスクに比べると70歳を過ぎたあたりから発症するリスクが倍になります。

女性の場合、乳房のがんは40代で多いものの、年齢を重ねるごとに少なくなり、60代になると40代と比べてそのリスクは半分ほどになります。

若い人の方が高齢者より進行が早いのは俗説?

先生

若ければ若いほど、そうでない人と比べてがんの進行が早いと言われています。それは本当なのでしょうか。

がん細胞というのは、治療がうまくいかなかったり放っておくと時間の経過とともに増えていってしまいます。がん細胞が増殖するということは、その分転移するリスクが高くなってしまいますから、完治が難しくなります。

若いころは細胞の分裂が活発なためがんの進行が早いなどと言われていますが、すべてのがんに当てはまるというわけではありません。確かに年齢によって発症しやすいがんというものもあります。

若い年代でのがんはがん細胞が組織の中で散らばってしまう低分化腺癌が多く、これがバラバラに散らばっているために発見が難しく、手術などですべてを取りきることができないことがあるのです。さらに低分化腺癌は進行が早いのも特徴です。

ということは、若いうちに発症するがんは進行が早いがんが多いということなのです。中高年から発症が多いイメージがあるがんですが、それはがん検診が中高年からを対象にしたものが多いからです。

20代や30代の方はがん検診を受けることが少ないかもしれません。そのため、若いうちに見つかるがんというのはすでに進行している状態であることも多いのが現状です。

進行性の遅いがんが高齢者に多い

お婆さん

若い人がなるがんに比べると高齢者のがんは進行が遅いと言われています。若いうちに発症するがんは「低分化腺癌」が多く、これは進行が早いということは先述した通りです。

では高齢者のがんがなぜ進行が遅いと言われているのかというと「高分化腺癌」が多いからです。これは、低分腺癌のようにバラバラに散らばっておらず比較的まとまった状態で、手術で取り除くことができやすいと言う特徴も持っています。

さらに高分化腺癌は進行速度が緩やかなため、若い方に比べると高齢者がなるがんは進行速度が緩やかであると言われているのです。

しかしながら、高齢者でも進行速度が比較的早いケースもあります。その人がどういったがんを患ったのか、できた部位や見つかった時の状態などによって異なってくるため一概には言えません。

高齢者のがんも増加傾向にありますが、年齢を重ねることで臓器の機能も衰え治療が思うようにできなかったり、治療をしたことによってその他の弊害(認知症など)を起こしてしまうことがある。

そのため、高齢者のがんの治療においては慎重かつ家族も含め治療方針を決めていくことがとても重要となります。

年齢別のがん対策と予防

チェックポイント

2人に1人ががんになると言われている今、いつ健康診断などでがんが見つかってもおかしくはないと言えます。

ただ、年齢によってできやすいがんなども多いため、日本の死因のトップであるがんにならないための予防や対策、またがんという病気は早く見つければ見つけるほど治癒に近づきます。

もちろん遺伝などもあるかもしれません。ですが、今の日本人の生活はがんという病気を発症させるリスクが高いのも事実なのです。

がん=死というイメージが強い方もたくさんいるのではないでしょうか。確かにがんは怖い病気です。ですが、対策をしたりがんという病気を予防することを心がけて生活していくだけでも違ってきます。

20代のがん対策と予防

不眠で悩む女性

20代という若い年齢でのがんは、残念ながら進行した状態で見つかることが多い傾向にあります。

なぜかというと、がん検診というのは早くて30代、平均して40になってから地方自治体で行っている健診が始まるからです。

もちろん、会社にお勤めの方であればオプションで別途料金を支払えばがん検診を受けることができます。

しかしながら、費用がかかること、がん全般ではなく大腸がんや胃がんなどピンポイントでの健診の選択であることも多いことから、なかなか20代のうちからがん検診を受ける人が少ないのが現状です。

だからといって、20代でがんにならないわけではありません。可能性的にはみんながんになるリスクを持っています。

20代におけるがん対策、予防はまずオプションで別途費用がかかったとしても一年に一回はがん検診を受けることにあります。

進行が早いがんが若いうちは多いため、1年に一度のペースでも昨年は大丈夫だったのに翌年のがん検診でがんが進行した状態で見つかったということもあります。

できることなら人間ドッグのような細かな部分までしっかりと調べることができる方法がお勧めです。家族や血縁関係の濃い親族にがんを発症している方がいる場合は、有料でもがん検診を受けましょう。

30代のがん対策と予防

お腹を抑える男性

30代のがん検診も20代と同じようにすべて任意型の健診となります。ですので、会社勤めの方でもあまりがん検診を受ける方がいません。

30代から徐々にがんを発症するリスクというのが高まりつつありますので、任意の健診であっても一年に一度は必ずがん検診を受けましょう。

若いうちにかかりやすいと言われているのが「肺がん」や「胃がん」、女性であれば「乳がん」や「子宮がん」があります。

家族や親族でがんになって治療をしている方、がんで亡くなられた方はいませんか?がんという病気は遺伝で発症リスクが高くなることもあります。特に大腸がんというのは遺伝により発症するリスクが高いと言われています。

大腸ポリープからがんにできるリスクを見極められる専門家もいるくらいです。ただ、がん検診を毎年滞りなく受けていくということは、家庭がある身であれば大変かもしれません。

ですが、がんは若いうちに進行しやすいものにかかりやすいため、受けておくことをおススメします。

がんの予防は禁煙、肥満の改善、飲酒量を減らすことで効果が高まります。特に喫煙で肺がんを発症するリスクが高く、禁煙はがん予防、がん対策にかなり強いと言えるのではないでしょうか。

タバコを止めるのが辛いのは一生のうちのほんのわずか。がんという病気になったら一生付き合ってかなくてはいけなくなるのです。

40代のがん対策と予防

胸を痛がる男性

働き盛りと言われる40代。40代に入ると地方自治体や企業の健康診断などでもがんの健診を行うことができるようになります。

なぜ40代からがん検診が定期健診となるのかというと、この年代からがんになるリスクが高くなるからです。ですので、定期健診で受けられるがん検診は必ず受けましょう。

バリウムを飲む検査を行うこと、胸部のエックス線、便潜血検査、喫煙者を対象に行える健診もあります。中には任意となり別途料金が発生することもありますが、喫煙されている方は一年に一度は受けておきましょう。

さらなる対策として、人間ドックを定期的に受けていくようにしていった方がいいのも40代からとなります。定期健診で見つけられないがんを見つけるためです。

科学的根拠として、「禁煙」「節酒」「食生活」「運動」「適正体重の維持」「感染症回避」ががんの予防につながることがわかっています。(参照:健康寿命をのばそう!「身体活動・運動」)

感染というのは防ぎようがないかもしれませんが、その他の5つの項目は日常生活におけることばかりです。当たり前かと思われるでしょうが、がん以外の病気も実は生活習慣などの乱れから起こることが多いのです。

これら5つの対策を講じていくことで、がんのリスクが半分に減ると、国立がん研究センターは発表しています。

50代のがん対策と予防

喉仏を抑えるお婆ちゃん

日本の死因のトップはがんです。がんにかかる確率というのは年齢を重ねるごとに上がってきますが、50代からがんになるリスクがぐんと高まると言われています。

国立がんセンターの発表によると、男女とも50代から右肩上がりに罹患率が高くなり70歳くらいまで上昇し続けています。

40代くらいまでは女性の罹患率が高いのですが、男性は40代後半にかけて罹患率があがりそのまま上昇傾向にあります。

男性は女性に比べてがんになるリスクが高いということなので、一年に一度はしっかりと定期健診を受けること、また人間ドッグなども行っていきましょう。

がんの要因として一番考えられるのが喫煙です。近年は女性の喫煙も増えてきていますが、喫煙からがんになる方は10人中3人の割合となっています。タバコを止めることはがんの予防と対策につながります。

タバコ=肺がんというイメージが強いのですが、実は食道がんや膵臓がん、胃がん、大腸がん、膀胱がん、乳がんなども実はたばこが原因となっていることがわかっています。

たばこを吸わない人に比べて、たばこを吸っている方ががんになるリスクは1.5倍も高くなることがわかっています。

受動喫煙においても肺腺がんや乳がんのリスクが高くなりますので、がんの予防や対策のためにタバコを吸う人の近くには寄らないようにすることも大切です。

60代のがん対策と予防

女性は55歳くらいまで男性よりもがんの罹患率が多いのですが、55歳を過ぎ60代になるにつれて女性よりも男性のがんの罹患率が高くなっています。

遺伝からなりやすいがんなどもあるため一概には言えませんが、生活習慣の良し悪しでがんになるかならないかが変わってくるのも事実です。

生活習慣がいいかどうかでがんになるリスクが半減するともいわれているくらいです。

さらに食事のバランスもがんの発症リスクを左右してきます。中でも食塩の摂取量が多いと胃がんのリスクが高くなります。減塩を心がけることで胃がんのリスクを軽減するのはもちろん高血圧や循環器系の疾患のリスクも減らすことができます。

野菜や果物もバランスよくしっかりととることでがんのリスクを低くすることが期待できます。

喫煙との関係が強いがんもあるため、必ずしも野菜不足からがんになるとは言えませんが、脳卒中や心筋梗塞などの予防にもつながりますのでバランスの良い食事を心がけていくことが大切です。

70代のがん対策と予防

日本においては高齢化が取り沙汰されていますが、実はがんも高齢者がなる割合が増えてきています。

高齢者のがんは、実はがんだけではなくほかの併存症を患っていることも少なくありません。臓器の機能が低下しているために、なかなか治療が進まなかったり思ったような治療ができなくなってしまうケースもあります。

がんで亡くなられる方の中で65歳以上が占める割合は8割に上ります。年齢とともにがんになるリスクは高くなってきます。加齢に伴って細胞の傷が蓄積しやすく、高齢になってからがんを発症してしまうことも少なくありません。

70歳以上になると肺がんと男性では前立腺がんの割合が高くなりますがんの予防や対策は、まず野菜や果物をしっかりと食べることです。

加えて、体を動かすことも大切です。しかしながら年齢を重ねると身体のどこかしらが痛くなったりしてなかなか体を動かす運動を取り入れることが難しくなります。

国立がん研究センターによると、体を活発に動かしている人ほどがんのリスクが低下することがわかっています。

これは高齢者になればなるほどはっきりとリスクの低下も見られていますので、積極的に体を動かす機会や時間を作っていくことががんの予防と対策につながります。

80代のがん対策と予防

高齢化が進んでいく中で、がんの治療を受ける高齢者の割合も同じように増えてきています。

がんの治療においては、年齢が重なれば重なるほど身体の機能だったり認知機能の低下を引き起こしたりとそのほかの弊害を引き起こすこともあるため、高齢者に対して適切な治療法というのがまだ確立されていないのが現状です。

2014年度においてがんで亡くなっている方は37万人、そのうち75歳以上が58%を占めています。

がんになるリスクというのは誰でも持ち合わせてはいるものの、年齢を重ねるごとに臓器の機能も低下してくることから、がんになりやすくなるとされています。

年齢とともに食欲も低下し、食べられるもの食べられないもの、食べたいものや食べたくないものなどがはっきりしてくることも少なくありませんが、食事はバランスよく野菜や果物を中心に、お肉や魚などもしっかりと摂るようにしましょう。

食事の乱れががんを引き起こすリスクを高めるので、食事量が少なくなってくる80代は特にバランスの良い食事を心がけることががんの予防と対策につながります。

また、熱い飲み物や食べ物はある程度冷ましてから食べるようにしましょう。熱いまま食べると食道がんのリスクを高め、食道炎にもなりやすくなるからです。

若い頃に発症するがん

女性と男性では若いうちに発症するリスクの高いがんはちがいます。ですので一概には言えませんが、がん検診が40代から徐々に始まるのに対して、30代からなりやすくなるがんがあるのも事実です。

若いうちに発症するがんは、早期発見をしにくく、見つかった時にはすでに進行してしまっているというケースも少なくないのが現状です。

がんと診断される確率が高くなるのは40代半ばから急激に増えだします。これはがん検診が定期健診で受けられる年齢になってきているからというのが理由の一つです。

30代や20代ががんにならないわけではありません。日本においては2人に1人ががんになると言われています。いつ誰がどんな状況であってもがんが見つかってもおかしくはないのです。

女性特有の子宮頸がんのピークは20代~30代

子宮頸がん

子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルスが要因です。性交渉で感染することが知られているウイルスで、子宮頸がんの患者の9割から検出されていることでも知られています。

ただ、このウイルス自体は稀なものではなく、感染しても多くは症状がでないうちに体外から排除されます。しかしながら、排除が遅くなり感染している状態が続くと子宮頸がんを発症します。

子宮頸がんの罹患率は20代後半から40代にかけて上がっていき、40代前後からはあとは横ばいとなります。

近年は特に若い方の子宮頸がんの罹患率が増加傾向にあり、子宮頸がんは途上国に多く子宮体がんは欧米などの先進国での発症率が高いとされています。

子宮頸がんは同じがんでも検診で見つけることがとても有効ながんの一つとなっています。進行を防ぎ死亡するリスクを減らすことができるからです。

子宮頸がんは20代から急激に増えることから20歳になったら子宮頸がんの検診を毎年受けましょう。

ちなみに10万人に40~70人の割合で子宮頸がんと診断されており、1年間で約16,000~17,000人が子宮頸がんと診断されそのうち約2,500人が命を落としているという統計があります。(参照:がん情報サービス「最新がん統計」)

がん検診でがんを早期発見

人間ドック

がんの克服はいかに早く見つけるかにかかっています。日本人の死因の一番はがんです。がんでなくなる方が増えている一方で、医学が進歩していることでがん=死という病気ではなくなってきているのも事実。

がんは初期段階のうちはほとんど自覚症状がありません。見つかるときにはすでに進行している状態のことも多いのですが、自覚症状がないうちにがんを見つけるということが大切であることから、がん検診をしっかりと受けていきましょう。

年齢によっては自治体のがん検診を無料で受けることができますが、20代や30代のうちは自己負担で受けなくてはなりません。なので任意でがん検診を受ける若い方がまだ少ないのが現状にはあります。

ただ、がんになったらいくら早い段階で見つけられたとしても一生付き合っていかなくてはいけなくなります。もしも進行している状態がかなりひどければ命を落とす可能性だって高くなります。

初期の段階で見つけられれば治療の効果が出やすかったり、生活や仕事に支障をきたさず通院治療でがんを治していくことができます。

若いうちに発症するリスクの高いがんもあります。若いからと言ってならないわけではありません。早期発見のためにはなんといってもがん検診を定期的に受けることです。

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免疫力を高めてがん予防・再発予防

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近年、がんの治療の一つに「免疫療法」というものがあります。また確率されたがん治療ではないのですが、自身の免疫力をアップさせがん細胞を排除させていく治療法で、副作用が少なく生活や身体に支障をきたさないことから注目されています。

また、がんになるならないにかかわらず免疫力が高いと外から入ってくる有害な物質を体外に入れさせない、また入ってきても体外に排出することができるので様々な病気の予防につながります。

免疫力を高める方法は、規則正しい生活をすること、体を動かすこと、そして食事のバランスを整えることにあります。

生活習慣の乱れのある人とない人ではがんになるリスクが違います。生活習慣の乱れがない人に比べると生活習慣が乱れている人は1.5倍もがんになるリスクが高いと、国立がん研究センターで以下のように報告されています。

国立がん研究センターでは、日本全国の11の保健所の協力を得て、調査開始時点で年齢40歳から69歳の男女、総計140,420 人を対象に、生活習慣とがんやほかの病気の罹患(りかん)についての追跡調査を実施してきました。その結果、この5つの健康習慣を実践する人は、0または1つ実践する人に比べ、男性で43%、女性で37%がんになるリスクが低くなるという推計が示されました

もちろん、遺伝や感染が原因になっているがんもありますが、「禁煙」「節酒」「正しい食生活」「適度な運動」「適正体重の維持」、この5つの健康習慣を実践していくだけでがんになるリスクを減らすことができるのです。全部は難しくても、1つでも2つでも実践することが大切です。

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まとめ

開いた本

いくら医学の進歩によりがんが治る病になってきているとはいっても、やはり日本人の死因のトップがいまだにがんであることからもわかるように、がんという病気は死に至ることが多いのも事実です。

ただ、がんは早期発見できるかどうかで治癒の状況、治療の内容が変わってきます。発見が遅く進行していたり転移が見られれば、その分治療が難しくなり治療するにあたって時間もお金も必要になります。

ですが、自覚症状がないうちに早期発見することができれば、入院せず通院のみでの治療をすることもあるため、がんになったからといって必ずしも生活に大きく支障をきたすというわけではありません。

2人に1人はがんになると言われているこの時代、年齢によってなりやすいがんもあれば、男女でもなることが多いがんというのも変わってきます。

しかしながら、いつ誰ががんと診断されてもおかしくはありません。がんという病気はとても身近であり、診断されれば死という一文字が脳裏をよぎるという方も多いです。

いざ自分ががんになった時のことなど考えたくもないですし、考えることもないかもしれません。ですが、いつだれがなってもおかしくはない今、がんという病気を身近に感じ、がんの予防、対策、早期発見のためにできることをしていくことが大切です。