がんと闘うための治療は様々あり、今はこれは不治の病では無くなりました。治療についてはがんの進行具合や病状など様々な点に配慮し適切な方法を選択していくことになりますが、その際にもう1つ考えていかなければいけないのが副作用です。

がん治療は手術、抗がん剤治療、放射線治療など様々な方法を選択できますが、これらのいずれにおいてもほぼ必ずといってよいほど副作用が発生します。

中には大きな心配をする必要が無いものもあれば、がん治療そのものよりも大きな影響を及ぼし生活や人生に深刻な問題をおよぼすものもあるので、こういったことを考えるとがん治療も、1つ1つの選択を慎重に行っていかなければなりません。

がん治療に伴う副作用

病気に侵される人

がんは、同じ治療でもその治療の程度や規模によって起こる副作用は異なります。例えば手術でも病巣部だけを取り除くのといくつもの臓器を複雑に手術するのとでは身体への影響が違いますし、抗がん剤においてもそれぞれの薬やその量によって副作用の内容や程度は変わってきます。

また同じ治療でも人によって副作用の出方は異なります。症状が重く出る人もいれば全く苦しむことなく済む人もいますから、治療の選択についてはこういった点についても理解が必要です。

このようにがん治療においては、がんを治すことと同時にその治療によってどのような副作用が起きるかということをきちんと理解し心得ておかなければなりません。治療を決定する上では医師から必ずこの副作用について説明がありますから、自分の身体にどのような変化が出てくるかはよく話を聞いておくようにしましょう。

また治療の副作用には、身体の不調の他に合併症や機能不全といったことが起こってくることも多いです。こういった大きな問題が起こってくる場合、身体だけでなく生活の質や人生そのものに大きな影響が出てきますから、もしその可能性がある場合にはどのように対処していくかを医師や家族としっかり話し合っていく必要があります。

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がん治療三大療法

がんの治療の選択肢には様々なものがありますが、基本的な柱となるのは外科療法化学療法放射線療法の3つです。これらは昨今のがん治療の要であり、単独もしくはそれぞれを組み合わせて治療を行っていきます。

多くのがんでは外科療法によって病巣部を切り取り、その後化学療法や放射線療法を行うというのが基本的な治療のパターンとなりますが、がんの進行度や場所などによっては手術ができず、抗がん剤と放射線治療で様子を見ていかなければならないといったこともあります。

また副作用や合併症を考慮して特定の治療を避けることもあるので、同じがんでも治療の方法というのは考え方や体質など個人個人で違いが出てきます。

手術

手術

がんにおいて最も基本的な治療となるのが、外科療法の手術です。病巣部を切除ことで身体からがんそのものを身体から取り除くことができます。抗がん剤や放射線療法と比べてほとんど副作用がありませんが、手術の場所や規模によっては合併症がおこるリスクがあります。

進行していないステージの軽いがんの場合、手術による治療のみで根治することも珍しくありません。特に早期発見の場合にはその可能性が非常に高いですが、がんの種類や病巣ができている器官によっては早期でも手術が難しいことがあるので、すべてのがんが手術で必ず治せると言い切れるものではありません。

また手術が可能ながんであっても、進行しすぎてしまい全てのがんを取り切るのが難しいと判断された場合には、これを行わず抗がん剤や放射線治療を選択していくことも多いです。

手術による治療は患者本人の体力の問題もあることから、高齢の場合には最初からこの治療の選択肢を外すといったこともあります。

またがんの状況によっては根治のためでは無くがんの影響による症状を和らげたり、治療において失われた機能を取り戻すことを目的として行われることも多いです。様々な意図をもって行われる治療と言えます。

薬物療法「抗がん剤」

注射

手術によってがん病巣部を取り切れなかった場合、手術を行えない場合において柱となる治療方法です。また手術によってがん病巣部をきれいに切除できた場合において追加の治療として行われることも多いです。手術が行えない場合には、放射線治療と組み合わせて行われるケースがほとんどです。

がん細胞の増殖や抑制を抑えて死滅、根治を目指す治療方法で、悪性度の高いがんにおいて良く効くケースが多いです。しかしその反面、抗がん剤治療においては副作用の問題というのは避けることができません。

抗がん剤には様々な種類があり、それぞれが及ぼす副作用や影響の強さには個人差がありますが、主に脱毛や吐き気、嘔吐、食欲不振などの症状が代表的です。

合わせて外科療法による治療を行っていく場合には術後の合併症も心配になることから、こういった点についても考慮し使用する薬を選択、組み合わせて使用していかなければなりません。

がん情報サービスによると副作用に対して以下の対策をすることもあるとのことです。

化学療法による副作用に対しては、つらい症状を薬剤で抑えたり、生活上の工夫で症状を軽くすることができます。また、化学療法中に高熱を伴って、白血球のうち感染防御の働きを持つ好中球の減少を認めたときは、入院して抗生剤投与、必要に応じて好中球の増殖を促す薬(G-CSF:顆粒球コロニー刺激因子)を注射する場合もあります。

また抗がん剤の副作用には自覚症状として現れないものもあります。こういったものについては定期検診を行って血液や尿を検査し、数値の変化をチェック、早期発見に努めていく必要があります。
薬

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放射線療法

治療

がん病巣部に放射線を照射し、進行の抑制、がん細胞の死滅を図っていきます。手術に比べて身体への負担が少ないといったメリットがあることから、体力の無い人や手術による治療を望まないといった人でも安心して受けられる治療方法です。

実際に日本放射線腫瘍学会は「手術や薬物療法とは何が違うのですか?」という問いに以下のように述べています。

放射線治療は、手術と同様にがんのある部分だけを治療する局所治療です。一方、薬物療法は全身に効果を発揮する全身療法です。放射線治療では臓器を取らずに治すことが可能で、からだへの負担が手術より少ないことがほとんどです。局所治療なので効果も悪影響も原則として治療した部分に限られます。

化学療法と合わせて行われる方法が多く、また手術によってがん患部を取り切れなかった場合にも追加の治療として行われることが多いです。これによる治療で合併症が起こることはあまりありませんが、放射線による影響で様々な副作用が現れるケースがあります。

放射線治療の副作用には疲れやすい、皮膚の発赤、かゆみ、痛み、食べ物が飲み込みにくくなるといった急性障害と、呼吸時の違和感や味覚障害、リンパ浮腫、下血といった晩期障害があります。

急性障害は治療後すぐ現れるもので照射後2~3ヶ月で回復していくことが多いですが、晩期障害は照射後半年から数年といったタイムラグを持って現れるので、こういった副作用の現れ方の違いについてはよく理解しておかなければなりません。

放射線治療による副作用は内容や程度に個人差があり、また治療の頻度によっても異なることからほとんど影響を受けないといった人もいます。

骨転移に対する放射線治療の有効性

検査

がんが進行すると骨に転移することがあります。これ自体が生命を脅かすことはありませんが、辛い痛みがでたり骨がもろくなって骨折しやすくなることから、発覚した場合には治療が必要となり、それにともなって放射線治療が行われます。

骨転移の症状を抑える治療は手術や薬物療法でも行うことができますが、副作用や合併症のリスクが少なく、効果が非常に高いことから放射線治療が選択されることが多いです。

特に痛みを緩和させることを目的として行われることが多いですが、放射線は同じ部位に大量に照射することができず回数や線量も制限を受けるため、症状によっては別の治療方法を選択していく必要も出てきます。

その他の治療法一覧

医者と患者

その他にもある、以下の治療法について解説していきます。

  • 免疫細胞療法
  • 陽子線治療
  • 重粒子線治療

免疫細胞療法

薬

身体の持つ免疫力を高めてがん細胞と闘う力を向上させる治療方法です。樹状細胞ワクチンなど様々な治療方法があります。患者の身体から取り出した免疫細胞を培養して再び体内に戻すといった方法をとるものが大半です。

免疫細胞療法の最大のメリットは、副作用が無いということです。元となる細胞も患者自身の身体から取り出したものであるため拒絶反応などの心配も無く、合併症のリスクもありません。治療への身体の負担を心配する人にとっては非常に良い選択肢となってくれます。

しかしこの治療方法は、がんそのものを根治させることができるものではありません。あくまでもがん細胞と闘う力を高めることができるというものなので、単体で根治を目指すことは難しいと言えます。

がん治療の柱である外科療法、化学療法、放射線療法を行いながら並行して取り組んでいく治療方法なのでメインとして行っていくものではありませんが、しかしこれを行うことで他の治療の効果を高めていくことは期待できます。

また身体の免疫力を高めることで、がんによる症状や他の治療の副作用を和らげることも期待できます。他の治療に影響を及ぼすものでは無いため、積極的に取り組んでいくことができる選択肢です。

陽子線治療

放射線よりもさらにピンポイントで高いエネルギーを照射しがん細胞の分裂の抑制、死滅を図り治療を行っていきます。

放射線治療においては合併症のリスクは少ないものの照射による副作用や周辺組織への影響が懸念されますが、陽子線治療は照射をする範囲をさらに絞ることができるため、こういった点でのメリットは非常に大きいです。

正常な組織への影響が少ないということは副作用を最小限に抑えられるということであり、より生活の質を維持した治療が行えるということに繋がります。ただ陽子線治療でも副作用が全く無いということでは無く、照射した部位の皮膚に日焼けのような跡が見られるといったことが出てきます。

照射において周辺細胞や組織への影響を最小限に抑えられ、さらに効果は放射線治療より高くなることから、身体への負担を極力抑えた治療を望む人は非常に有意義な選択ができます。

治療が行えるがんの種類も多いことからより良い選択肢となってくれますし、高齢者や体力の無い人も安心して行うことができます。

この他、合併症があり手術ができない人でも行える、入院の必要が無く通院で治療に取り組める、治療後の社会復帰への支障をきたすことが少ないなどといったメリットもあります。

重粒子線治療

画面を見る医師

陽子線治療よりもさらに範囲を絞り、がんを含む最小限の患部に粒子線を照射していく治療方法です。がん細胞を死滅される効果が陽子線よりもさらに高いという特徴を持っており、より短期間で治療を終えることが可能です。

合併症や体力的な問題で手術が行えないといった人でも選択することができ、入院が不要で通院で治療を受けることができます。また骨肉腫といった難治性のがんの治療を行うことも可能です。

重粒子線を照射されたがんは時間をかけて徐々に縮小していくため、治療の終了と共にがんが根治するということでは無く、定期的な経過観察が必要になりますが、治療後の社会復帰への支障は最小限で済むなどメリットは非常に大きいです。

がん細胞を含むごく限られた範囲に照射をすることができ、正常な細胞への影響がほとんど無いことから、重粒子線による治療は副作用も最小限で済みます。具体的な副作用の症状は放射線治療とそう違いはありませんが、がんの種類や治療線量、照射の方向によって内容や程度には個人差が出てきます。

治療にあたっては副作用やこれが起こった場合の対処の仕方について細かく説明があるので、よく話を聞いて理解することが大切です。

がん治療による主な合併症

グラフと医者

がんの治療においては様々な治療や検査を行いますが、それに伴いしばしば合併症が起こります。がんにおいては身体の免疫力を下げてしまうものもあるため、治療の選択においてはこういった点についても考慮していかなければなりません。

合併症ががんの治療の支障となったり新たな治療が必要になったりすれば、これは大きな妨げとなります。治療を選択する際にそのリスクを把握していることはもちろん、元々他の病気を抱えている人の場合にはそれによる合併症の可能性についても配慮が必要です。

がん治療では副作用と共に治療や転移で考えられる合併症に常に気を配っていかなければならないので、この点についてはよく理解しておきましょう。

がん治療による主な合併症は「がん治療.com(がんの副作用と合併症)」を参考にしています。

胸水

胸を押さえる女性

胸腔内に多量に液体が溜まった状態で、息切れや胸の痛みなどの症状が現れます。末期がんにおいて多く現れる合併症で、特に肺がんで多く見られる合併症です。

胸水自体は肺炎が原因で起こることが多いものですが、肺がんにかかると激しい咳き込みなどほぼ肺炎に近い症状が現れることから、末期がんの合併症としてよく現れるようになります。

胸水の量が多いと肺が圧迫され呼吸困難を起こし直接の死因となる可能性も高いことから、治療が必要になります。抗がん剤による治療も可能ですがこの場合さらに副作用の心配をしなければならないため、管を挿入して胸水を吸引する方法とどちらが最適か考えて選択していくことになります。一般的には吸引による治療を行うことが多いです。

脊髄圧迫

不眠で悩む女性

がんによって脊髄が圧迫されておこる合併症で、身体の痛み、排尿機能障害などの症状が現れます。治療の副作用として現れるよりも、骨髄腫、乳がん、肺がん、前立腺がんなどの症状としてや、がんが骨に転移することが原因で起こることが多いです。

このことから、治療の過程において身体に新たな痛みが出てきた場合、骨転移が進んでいることを疑うようになります。骨転移による痛みは、がんそのものが生み出す発痛物質やがんが大きくなって周囲の神経を圧迫していること、また骨転移によって骨がもろくなり骨折していることが主な原因です。

脊髄圧迫の治療は主に放射線治療で行われます。1回の照射でも充分効果が得られることが多いため、積極的に治療が行われることが多いです。

心タンポナーデ

心臓と心膜の間に血液や体液が溜まり心臓が充分に拡張できない状態です。倦怠感や呼吸困難、チアノーゼといった症状が現れるようになります。がんにおいては食道がんや肺がんが心膜に転移することで起こることが多い合併症で、治療の副作用として起こることはあまりありません。

予防策が無く、また命に関わる重篤な状態なので、速やかに治療を行う必要があります。治療の方法は様々で、穿刺、ドレナージ、手術などの選択肢の中からより適切なものを選んでいくことになります。

ただ、がんの合併症として起こる場合は慢性的なものなので、心エコーなどで観察を行うことである程度異変を察知することができ、適切な治療を受けることで発症を防ぐことが可能です。

口腔合併症

腫れた首

口内炎や歯肉出血、歯肉壊死、味覚障害などの症状が現れるもので、抗がん剤治療や放射線治療の合併症として現れます。これらの治療を行っている場合非常に高い確率で発症することになります。

これらの症状は健康な人でも起こるものですが、がんの治療の副作用として現れる場合その程度はとても酷いものです。痛くて食べられない、飲み込めないなど食事が困難になり、時にはがん治療そのものを中断せざるを得ないといったことも出てきます。

治療によって体力や免疫力が落ちることで発症のリスクが高まることから、口腔合併症には日常的なケアがとても重要になります。治療が始まる前に虫歯や歯周病の治療を行う、毎日の口腔ケアをより一層しっかり行うといったことで予防していくことが必要です。

性機能障害

卵巣がん

手術による臓器の摘出によって起こる障害です。他の合併症のように何か症状が現れるのでは無く、機能そのものを失うことがあるのが特徴になります。男性の場合には前立腺全摘出、女性の場合は子宮全摘出などを行うと生殖機能を失うことになります。

また抗がん剤による副作用で射精障害、勃起障害、月経不順、不妊などの障害が現れることもあります。全ての性機能を失うというわけではありませんが、性交渉そのものが難しくなることもあるので大きな問題です。

一部機能障害については抗がん剤による治療を終え時間が経過することで改善されることも多いです。この点についての個人差というのは非常に大きなものなので、治療を選択する際の副作用のリスクについては医師とよく相談する必要があります。

通院しながらの外来治療は不安?メリット・デメリット

落ち込む親子

昨今のがん治療は通院で行うことが主流になってきています。これは高齢化に伴い病院のベッド数が足りないといった問題もありますが、医療の進歩により入院で行っていた治療が通院でも行えるようになった部分が大きいです。

がんの通院治療においては普段自宅で生活を送れることから、病院生活による身体的、精神的な負担ストレスが少なくて済む入院費がかからない仕事を続けることも可能で社会復帰までの時間を最小限に抑えられるなどのメリットがあります。

特にがんの治療はメンタルへの影響も大きいですが、これまでと変わらず自宅を生活をし社会に参加していけるというのは、気の滅入りを防ぐために大いにプラスとなります。

メンタルが弱ると免疫力も下がりますし、また病院生活が長くなると日常動作が低下するといった問題も出てきますから、こういったことを予防する意味でもがんの外来治療というのはメリットが大きいです。
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一方で、外来でがんの治療を行うことにはデメリットもあります。病状の急変の対応ができないというのはその最たる例で、特にがんが進行し身体に大きな影響が出ている人の場合はもしもの時にどうするかということをしっかり考えていかなければなりません。

ケースによっては家族や周囲の負担を増やすことになりますし、病状によっては自宅での習慣が悪影響になったりもします。

入院費がかからない代わりに病院への交通費がかかるといった問題もあるので、メリット、デメリットについてはよく考えていかなければなりません。

抗がん剤による副作用の心配も無く状態が安定している、手術を終えて日常生活に戻れるまでに状態が回復しておりさらに合併症の心配も無いなどといったことであれば通院の選択肢はとても有意義なものとなりますが、家に帰ると夜更かしや食生活の偏りなど生活習慣が乱れる、じっとしていられず働きすぎてしまうといった人はむしろ入院して治療に当たった方が正解になるでしょう。

がんに伴う症状や副作用を軽減する「支持療法」とは?

病院のベッドで寝る女性

がんに伴う症状や治療の副作用に対する予防策、また症状を軽減させるための治療を支持療法と言います。代表的なものとして、感染症を想定した積極的な抗生剤の投与、抗がん剤の副作用として現れる貧血や血小板の減少に備えた適切な輸血療法、吐き気や嘔吐に対する制吐剤の使用などが挙げられます。

痛みや苦痛を取り除き良好な状態で治療に臨めるようにすることを目的としているもので、身体のケアだけでは無く心のケアも含めた包括的な治療を行っていきます。

緩和療法や緩和ケアに含まれるものであるため、こういった言葉を聞くと終末期を連想する人もいますが、あくまでもより生活の質を高めて治療を行っていくことが目標なので、決して最後を見据えたものであるとは限りません。

支持療法はそれぞれの治療において必要となるもので、外科手術では術後の出血、感染、縫合不全や合併症の予防、抗がん剤治療では下痢、嘔吐、食欲不振を緩和し生活の質を向上させること、放射線療法では臓器障害、白血球や血小板の減少へ対応することを理由に行われることが多いです。

一言に支持療法と言っても、それぞれの治療によって内容は大きく異なります。しかしその目的は一貫しており、より良好な状態で治療に臨める状態へと導いていくことです。身体的な苦痛から心の不安まで幅広くカバーしていくことで患者本人の闘病のモチベーションを上げていくことができますから、これは非常に大切な治療と言えるでしょう。

身体や心に痛みや苦痛があると備え持つ免疫力も低下し、本来の治療の効果が得られないといった問題もでてきますから、この点においても支持療法というのは非常に大切なものになってきます。

支持療法の効果は柱となるがん治療の効果にも影響を及ぼすものであるため、サポート的な役割を果たすものではありますが積極的に取り組みその成果を得られるようにしていかなければなりません。

がん治療による痛みを和らげる緩和ケアについて

手のツボ押し

がんの症状による身体の痛みの辛さ、死が近づいてくるという精神的な辛さの両方を和らげるために行われる治療です。患者本人はもちろん家族とも積極的にコミュニケーションをとって治療方法を選択していきます。

緩和ケアはより自分らしい生活を送れるようにするためのケアなので、身体の痛みや心の不安を取り除き生活の質を向上させ前向きに生きる力を支えてはいきますが、死を早めたりいたずらに遅らせたりすることはしません。

またこれはがんの治療の初期段階から、柱となる治療と共に一緒に受けていくことになります。終末期に受けるものといった印象が強いかもしれませんが、病気の内容から治療の選択、どういったケアが受けられるかなどの相談や話し合いまで、治療を終えるまでに必要となることほぼ全てについてカバーしていくものなので、特定の段階に入った場合にスタートするものでは無く、がん治療の一環として行うものと考えた方が正しいでしょう。

副作用や合併症の辛さを和らげることはもちろんですが、実際には家族の心のケアまで行ってくれる包括的なものであり、相談しても仕方ないというようなことは無く、心や身体のあらゆる痛みに応えてくれるものなのです。

メラトニンは副作用を軽減する?老化防止にも効果あり?

先生

メラトニンは脳で分泌されるホルモンの1種で、身体の日内リズムを調整する役割を持っています。子供の頃に多量に分泌され思春期を過ぎると急激に分泌量は減りますが、このメラトニンは近年抗がん剤や放射線治療の副作用を軽減する効果があるといった研究結果が報告されています。

免疫療法と併用することで免疫増強効果を高めたり、手術後の創傷治癒の促進効果、末期がんにおける有効性も報告されていることから注目を集め、また様々な抗がん剤治療において下痢、体力低下、神経障害、骨髄抑制などの副作用を軽減することが示されているため、今後のがん治療や副作用、合併症の問題の解決に期待を持たれている物質です。

マウスによる実験では寿命が本来の3割延びるといったデータもあり、アメリカでは老化防止のホルモンとして大変なブームにもなりました。日本ではサプリメントの許可を得ていないので気軽に当てに入れることはできませんが、世界的にはがん治療においても様々な臨床試験でその有用性が報告されています。

副作用や合併症の痛みを和らげるためには非常に魅力的な物質であり、個人輸入なら日本にいても手に入れることができますが、がん治療を受けていく上では、これを利用しても良いかどうかは医師にきちんと相談をするようにしてください。

副作用の症状は我慢せずに伝えよう

医師とパソコン

がんの治療においては、ほぼ必ずと言ってよいほど副作用が起きます。副作用の内容や程度には個人差がありますが、治療において身体に何の影響も表れないといった人はまずいませんから、この点についてはよく心得ておきましょう。

中には身体に何かしらの異変が表れてもその程度がごく軽く騒ぎ立てるようなものでなかった場合、それを医師や看護師に告げずに黙って過ごしてしまう人もいるでしょう。しかしがん治療においてはどんなことに関しても初期のうちに把握し検討、対応していくということが非常に大切になってきます。

自分では些細なことと気にしなかったとしても身体には異変が表れており、次第にその症状が悪化し大変な事態に及ぶということも充分考えられます。

初期段階でこれをきちんと把握して適切な対応ができれば悪化を未然に防ぐことができますから、そのためにもほんのわずかな変化でもきちんと報告するということは非常に重要なのです。

自己判断せず医師に相談することが大切

診断

何が大変な症状や合併症を引き起こす前触れとなるかは素人では判断できず、逆に医師や看護師であれば医療の知識を基に問題の有無を見極めていくことができますから、どんな小さなことでも我慢せず、身体の変化を報告、相談するようにしてください。

がんの治療の副作用においてはかゆみや咳、口内炎など日常的にも起こりうる症状も多々起きますので、こういったちょっとしたことでもいつもと違うと感じたら報告をするようにしましょう。

またこれくらいで騒ぐのは恥ずかしいと感じるようであれば、自分で数日様子をみてもかまいません。しかしもしそれが続き悪化するようなことがあればすぐ医師に伝えなければなりませんので、そのことは忘れないようにしましょう。

副作用によっては治療の内容を変えることもありますが、それは決して悪いことではありません。副作用の出方によってはがん治療そのものを中断しなければならないといったことも出てきますので、これを甘く見ることの無いようにしてください。

まとめ

診察

がん治療の副作用は、時に本来の治療を中断しなければならなかったり、これが直接の死因となることもあるものです。がんの転移、手術の合併症、抗がん剤や放射線治療の副作用など起こる原因は様々ですが、放置せず柱であるがん治療と同様にきちんと治療を行っていかなければなりません。

治療について選択する時点である程度の副作用については想定されますが、それが実際に表れるかどうかは解りませんし、患者本人が身体の変化について訴えなければ見つけることが困難な場合もあります。

そのためにこれについては医師や看護師だけでなく自分自身でも常に変化に気づけるようにし、逐一報告していくことが必要です。副作用は未然に防ぐこともできれば、初期段階に簡単な処置で悪化を防げるものも多いので、先手を打って付き合っていけるようにしましょう。

また抗がん剤による副作用では、症状が深刻な場合薬を変えることでこれを改善していくことも可能です。すべての副作用が我慢して付き合っていかなければならないというものでは無いので、医師とよく相談しより良い状態で治療に臨めるようにしていきましょう。

痛みや苦痛についてはメンタル面でのケアも行ってもらえるので、身体的なこと以外についても抱え込まず相談していってください。